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ThinkPad X1 Nano 実機レビュー = TGL+縦長画面+5Gなのに900gで最強モバイルノートだ!!

2021年01月05日 10時00分更新

文● 写真:みやのプロ(@E_Minazou)+ 編集● ASCII

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 レノボが発売したThinkPad X1シリーズの最新モデル「ThinkPad X1 Nano」は、インテルの11世代最新CPUであるTiger Lakeを搭載し、その名前のとおり、小型軽量化を実現した、モバイルノートである。

 16対10の縦長モニターに5Gモデム内蔵モデルも選択できるという3拍子揃った新機種なのだ。

Tiger Lake搭載でついに1キロ切り
画面は16対10比率の縦長で5GモデムはSnapdragon X55搭載可能

 X1 NanoはCarbonとFoldの間に位置する製品で、重さ907グラムで最軽量のX1である。インテルのEVOプラットフォーム認証をとっているので、高速起動や長時間駆動、高速充電が期待できる。

 CPUはTiger Lakeでも省電力のUP4(7~15W)である「i5-1130G7」または「i7-1160G7」で、メインメモリは8または16GB、ストレージSSDは128、256、512GB、1TBから選択できる。

i7-1160G7の採用でメイン基板は小さい

SSDは交換可能だが42㎜サイズだ

 直販モデルは1月4日時点で3モデルある。
パフォーマンス
i5-1130G7+8GBメモリ+256GBSSD
(Windows 10 Home)

プレミアム
i7-1160G7+16GBメモリ+256GBSSD
(Windows10 Pro)

プレミアム
i7-1160G7+16GBメモリ+512GBSSD
(Windows10 Home)
 

 お値段はクーポン適用後で約18万円~21万5000円で、もちろん、OSやSSD容量は変更可能である。

 いずれも、ディスプレイは13.0インチで縦横比が16対10の縦長デザインである。解像度は2160×1350ドットのIPS液晶でドルビー・ビジョン対応である。「ノンタッチ+ノングレア」と「タッチ+グレア」の2タイプがあるが、上記の直販3モデルはすべて「ノンタッチ+ノングレア」である。ともに最大輝度は450nitでsRGB100%の色域を持つ。

 インターフェイスはUSB3.1 Gen2×2(Thunderbolt 4 対応)に、マイク・ヘッドホンのコンボジャックのみと非常にシンプルである。超軽量モデルとはいえ、ThinkPadというからには、タイプAとHDMIは搭載してほしかったところである。

本体右側には電源スイッチと排気口のみ、左も音声端子とタイプC×2と非常にシンプルだ

X1でおなじみの斜めに切れ込んだデザインはそのまま

 バッテリーは48Wh搭載で、最大22.87時間(JEITA2.0)の稼働で、ACアダプターはタイプC接続の65W出力である。

 無線はWi-Fi6とBluetooth5.1に加えて、WWANではLTEと5Gを追加で選択できる。現時点では4GLTEが「Fibocom L850-GL LTE CAT9」で1万8700円、5Gが「Qualcomm Snapdragon X55 5G Modem-RF System」で5万5000円の追加となる。

LTEと5Gモデルでは背面にSIMスロットがつく

 カメラはIRと720PのHDカメラを搭載し、マイクは360度タイプを4本搭載、スピーカーも4本内蔵し、ドルビー・アトモス対応だ。

X1クオリティーなのに小さくて軽い!!

 手にした第一印象は「小さい」と「軽い!!」である。 本体サイズは292.8×207.7×16.75ミリと、縦横ともにA4判より数ミリ小さい。重量はモデルにより異なるが、最低で907グラムとなっている。

 もちろん日本製の超軽量モバイルノートでは600グラム台の13型ノートもあるが、ThinkPadを手にして「軽い」と感じるのはひさしぶりの感覚でうれしいのだ。

 トップカバーは通常の黒とカーボンファイバーの2種類があるが、ディスプレイがタッチではカーボン柄、ノンタッチでは黒という組み合わせになっている。なので、今買えるのは黒モデルとなる。

 キーボードはもちろんNanoのサイズで新たに開発したもので、日本でもUS配列とJIS配列を選択できる(US配列は1100円高い)。タッチパッド横には指紋センサーがあり、指でログイン認証が可能だ。

右がUS配列で、左が日本語配列

 キーボードの幅は265ミリあるが、日本語配列では@や¥キーは幅寄せされていて、右シフトキーも狭い。キーストロークは長いので打鍵感覚はさすがのThinkPadクオリティーで、音も小さく、疲れない。

 赤ポチのトラックポイントとともに搭載されているタッチパッドも高級感のある表面処理で、クリックは無音である。

パームレストはマット仕上げだが、指紋はほとんど付かない

バックライトは2段階の明るさで視認性も高い

 画面サイズは実測で280×175ミリで、なによりヒンジの上に余白がないのが気持ちがいい。もちろん縦長画面はとても効率がいいし、最大輝度にするとかなり明るく、屋外でも使いやすそうである。

 ディスプレイ上部には、こちらも新規開発されたレーダー方式の人感センサーを搭載しており、「Human Presence Detection(HPD)機能」によって、離席を自動感知してログオフし、顔認証と合わせれば、タッチレスで自動ログインが可能だ。標準搭載だが「なし」にすると1100円安くなる。

ディスプレイは450nitと十分な明るさでストレスはない

低電圧版Tiger Lakeの速度はいかに?!
CPUはUP3と同じ速度、3Dグラフィックスは20%落ち

ThinkPad X1 Nanoのi7-1160G7+16GBメモリ+256GBSSDモデルで速度を計測した。電源モードは「最も高いパフォーマンス」である。

本体内部を底面から見たところ。右上にメイン基板、その左は大型の冷却ファンで下半分はバッテリーが占める

内蔵アプリのコマーシャル・バンテージで動作モードを変更できる。Nanoでは動作モードをセンターにしておくと、自動で省エネから最高速まで切り替えてくれる

 CPUベンチではCinebenchのR15で853、R20で2149、R23で5551という値が出た。UP4(7~15W)のTiger Lakeを初めて計測したが、これまで数台計測したUP3(12~28W)のi7-1165G7搭載モバイルノートとほぼ同じ値であり、低電力だから遅いということはなかった。最高周波数4.4GHzと4.7GHzの差もないくらいである。

Cinebenchの結果はUP3と変わらない好成績だった

渦巻型のファンは直径が70ミリもある大型が1基とうさいされていて、音も小さい

 Nanoの3DMarkの結果は、TimeSpyで1400、FireStrikeで3835、WildLifeで9727と、1165G7よりも20%ほど遅い結果となった。

 グラフィックチップ部分についてはともに96ユニット搭載のIris Xe Graphicsながら、1160G7では最高周波数1.1GHz、1165G7では1.3GHzである。その差が表れた結果だ。

 SSDの速度はCrystalDiskMark7でマルチシーケンシャルのリードが2487、ライトが972と、書き込みが若干遅い結果である。

 バッテリーの持ちについては、最高輝度で「最も高いパフォーマンス」で3時間10分駆動した。TDPが9Wと低いおかげと、48Wh搭載としては省エネがよく効いている。  充電も同条件で50%までが30分、70%までが49分、90%までが70分で終了した。こちらも65W出力のACアダプターでは非常に高速な結果で、さすがEVO認証保持である。

900グラム台でTGL+縦長画面+5G
いま買って間違いない最先端モバイルノートなのである

 ThinkPad X1の名を持つNanoは、さすがの大和魂を込められた出来の良さである。

 おじさんのおすすめモバイルノートの3条件である、タイガーレイクに縦長画面、5Gモデムがずばり揃っているうえに、900グラム台を実現しているのだ。

 インターフェイスがばっさり切られているのだけが気になるが、同時発売となった「Lenovo USB Type-C ポートリプリケーター(4XH1C12753)」は、50グラムで6端子が付くので、これを購入して持ち歩くといいだろう。

新しいタイプCのポトリも小型軽量でオススメ

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