KDDIは「au Design project [ARTS & CULTURE PROGRAM]」 の取り組みとして、現代アート作品をau 5Gと最新のAR技術を駆使して体験できるアプリ「AR×ART(エーアールアート)」を11月24日からリリース。
これにあわせてGINZA 456 Created by KDDIではプレス向けの説明会と体験会が開催され、第1弾のアート作品の制作者で彫刻家の名和晃平氏などが登壇した。
アートと最先端の技術が融合したアプリ
今回の企画は、KDDIとThe Chain Museumが組んで、5GやXRなどの最先端技術で新たな文化芸術体験のDXを推進する「augART (オーグアート)」のひとつ。The Chain Museumはアートプラットフォームや、ミュージアム運営を展開しており、KDDIが出資している企業だ。
「AR×ART」には3つのアートエクスペリエンスが用意されている。ひとつは「PixCell_AR」で、スマートフォンに搭載されたLiDARスキャナーを使って、目の前のオブジェクトや人物がリアルタイムに名和氏の代表シリーズ「PixCell」へと変貌するというもの。残念ながらこちらは、2020年12月以降提供予定となっており、今回は体験できなかった。
またLiDARスキャナーを使用するため、アプリが対応する端末はiPhone 12シリーズかiPad Pro(2020年モデル)となっている。現時点ではAndroid向けのアプリは提供されていない。
もうひとつのアートエクスペリエンスは「AR×ART COLLECTION」で、名和氏のマルチプル作品をARで表示。LiDARスキャナーにより表示も速く、サイズや向き、影の細やかな調整も可能となっている。
「AR×ART COLLECTION」で表示される作品は、その名のとおりコレクションとなっており、初期状態ではすべての作品が表示できずロックされた状態となっている。このロックを解除するために用意されているのが、3つめのアートエクスペリエンス「White Deer_AR」だ。
体験会が行なわれたGINZA 456 Created by KDDIを始め、名和氏の作品「White Deer」の彫刻が実際に設置されているスポットなど、名和氏にゆかりのある場所で「White Deer_AR」を動作させると、ARで「White Deer」が出現しロックが解除される。スポットによって解除できる作品が違っており、ゲーム感覚で作品をコレクションしていく楽しみがある。
最新モデルのiPhoneやiPadが必要ということで、体験するにはハードルが高いが、名和氏は「現実として存在するものと、情報として存在するものが同じ風景のなかに入っている。こういったモニュメントは世界中にあるが、まったく新しい形で新鮮な出会い方ができるのでは」と、今回の企画をアートの新しい楽しみ方として提案していた。