5in1プレミアムPenノート
さらに、今回発表した新製品では、「5in1プレミアムPenノート」という提案をしてみせた。
「新たなライフスタイルにおいて、PCの存在価値は一段と高まり、モバイルPCは大幅に伸長している」とする一方で、「だが、2in1コンバーチブルPCは、十分に伸長しているとはいえない。その理由は、利便性や商品性が十分に理解されていないからである」と指摘する。
Dynabookで提案する「5in1プレミアムPenノート」は、2in1コンバーチブルPCの提案をさらに進化させたもので、ニューノーマル時代における最適化したPCの形だと位置づける。
5in1とは、通常のPCとしての使い方に加えて、eスポーツなども楽しめる「Note PCスタイル」、ウェブ会議などで共有した画面に、ペンを使って線を引いたり、クリエイティブな作業に最適な「Penスタイル」、ネット動画などを、シャープ製IGZO液晶ディスプレイと迫力のある音響を実現するDolby Atmosにより、プライベートシアターとして活用する「Monitorスタイル」、写真撮影や編集、投稿に便利な「Tabletスタイル」、相手との一定の間隔をあけながら、画面を回転させてミーティングや商談ができる「Flatスタイル」といった5つのスタイルでの活用シーンを提案。「ペンとタッチで5つのスタイルで自由に使える新たなDynabookが、ニューノーマル時代における、多様な使用シーンやニーズに合わせた利用を可能とし、毎日の暮らしを豊かにする。ニューノーマル時代に最適なPCのひとつとして、5in1プレミアムPenノートという新しいジャンルを作り、市場拡大を図っていく」と語る。
「すべてを新しくする。できることが増える」というのが、5in1プレミアムPenノートのメッセージだ。
5in1プレミアムPenノートを支えるテクノロジーのひとつが、インテルのEvoプラットフォームに対応していることだ。現時点では、Evoプラットフォームへの対応を認定されたPCを商品化している唯一の日本のPCメーカーがDynabookである。
dynabook Vシリーズおよびdynabook Fシリーズは、薄さや軽さ、堅牢性、長時間バッテリー駆動、高速充電、素早い起動と優れた応答性、上質な映像とサウンド体験、高い接続性能などの幅広い項目において、Evoプラットフォームの認定基準をクリア。第11世代インテルCPUの搭載と、グラフィックス性能を最大化する「エンパワーテクノロジー」の採用によって、モバイルノートPCでありながら、TDP(熱設計電力)28Wの高いパフォーマンスを、安定して維持できる設計となっている。
「新次元の高性能を発揮できるEvoプラットフォーム対応の1台であり、これだけで、幅広いニーズに対応できるようにする」と語る。
だが、その一方で課題もある。
それは安定的な部材調達だ。新型コロナウイルスが及ぼすサプライチェーンへの影響は、いまでも深刻である。
シャープが発表した2020年度上期業績では、シャープの野村勝明社長兼COOが、「PC事業は、引き続き、安定的に収益を計上している」としたものの、「一部の部材が隘路になり、減収となった」と説明した。
今回の会見で、Dynabookの覚道社長兼CEOは、「新型コロナウイルスの影響で、3月には生産ラインが動かせないなど大変な時期があった。さらに、世界的なPC需要が拡大により、部品の調達に遅れが生じるといった事態も発生した。特定の部品がないというものではなく、その場、その場で足りないものが発生してきた。2020年度下期は、国内市場においてはGIGAスクールプロジェクトへの対応があり、海外からの引き合いも増えている。部材メーカーと連携し、枠取りをしっかりとやることで、部材調達には万全を期して、要求に応えていくことが下期の課題になる」とする。
ニューノーマル時代に向けた新たな提案を行ったDynabook。これを加速するためには、安定的な部品調達が重要な鍵になる。そこにシャープや鴻海の力が、どう生かされるのかにも注目したい。
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