仕事に差がつく!阿久津良和「Microsoft 365のスゴ技」 第11回
Microsoft Teamsでオンライン会議が便利になる 11月追加予定の新機能
2020年11月20日 09時00分更新
本連載は、マイクロソフトのソリューション「Microsoft 365」に含まれるSaaS型デスクトップ&Webアプリケーション(以下、アプリ)「Office 365」について、仕事の生産性を高める便利機能や新機能、チームコラボレーションを促進する使い方などのTipsを紹介する。
Office 365を使いこなして仕事を早く終わらせたい皆様にお届けする本連載。今回は今月11月にMicrosoft Teamsに加わる予定の新機能に注目する。
スポットライト機能が一般公開
本連載では毎月何らかの形でMicrosoft Teamsを取り上げているが、Microsoftがもっとも注力するアプリであり、コロナ禍で追い風を受けていることを踏まえると当然の結果かもしれない。同社の2021年度第1四半期発表内容によれば、Microsoft TeamsのDAU(1日あたりのアクティブユーザー)数は1億1500万人を突破した。2020年4月下旬で7500万人、同年3月中旬時点で4400万人という数字と比べても、オンライン会議ソリューションとして定着した感がある。
さて、Microsoftが米国時間10月30日に公開した[記事]で、今後Microsoft Teamsに順次展開される新機能を披露した。ここから企業ユーザー向けの機能を拾い上げて紹介する。1つ目はライブキャプション(字幕)。オンライン会議に参加した話者の発言を字幕として表示する機能である。Microsoftは音声をテキスト化するCognitive ServicesのSpeech to Textサービスや、映像を含めた分析や字幕付与を行うVideo Indexer、最近ではMicrosoft Wordのディクテーション(口述筆記)など多角的に音声のテキスト化を実現してきた。記事では言及されていないが、同種の機能をMicrosoft Teamsに持ち込んだのだろう。
2つ目はスポットライト。オンライン会議に参加している任意のユーザーに焦点を当てる機能である。Microsoft Teamsはウィンドウ内に表示するユーザーを指定する“ピン留め”機能を備えているが、[サポートページ]の説明を踏まえると、他の参加者のウィンドウでもメイン映像になるようである。ただし、スポットライト機能はギャラリーモードでのみ動作し、大きなギャラリーモードや絆(Together)モードでは動作しない。
3つ目はミュートの強制。通常であればオンライン会議はカメラ&マイクをオンにした状態で参加するが、オンライン記者会見の場合、いずれもオフにするのが常識である。なぜなら記者が質疑応答以外で発言する必要はなく、ネットワーク帯域を消費する映像を登壇者に送信する利点もないからだ。オンライン会議のオプションから、参加者にミュート解除を許可するか否かを選択することで本機能が動作する仕組みだ。Microsoftも本機能について、「誰が話すのか制御を必要とする記者会見や教室のシナリオに役立つ」と説明している。
4つ目はMicrosoft Whiteboardの読み取り専用モード。同アプリはリモートワーカー同士が共通のホワイトボードを使って会議を円滑に進めるソリューションだが、AAD(Azure Active Directory)アカウントを使用していればMicrosoft Teamsから呼び出せる(現時点ではプレビュー版)。その際の設定として読み取り専用モードを有効にすることで、共同作業の可否など柔軟な設定が可能になるという。
最後はオンライン会議の録画映像や録音データの保存先として、OneDrive for Business/SharePointが加わった。たとえばオンライン会議に参加できないメンバーへ、映像をチャットで共有すれば情報共有も容易になる。また、セキュリティ/コンプライアンスの観点でも、アクセス制御できるOneDrive for Business/SharePointを使う利点は大きいだろう。
いずれの機能も本稿執筆時点のMicrosoft Teams(バージョン1.3.00.26064)で動作検証できないが、コロナ禍のリモートワークを支援する機能として興味深い。また、MicrosoftはMicrosoft Teamsで利用するアプリにも注力しており、最近では[Salesforce for Teams]をリリースし、Project for the webやRoadmapのアプリを今後リリースすることを[発表]した。なお、Microsoft 365ロードマップ#[68845]を確認すると、2020年12月までにマルチアカウントの対応が予定されている。当初は複数のAADアカウントをサポートし、個人アカウント=Microsoftアカウントのサポートは2021年以降に行なわれるようだ。
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