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COVID-19を乗り越えた新様式の船旅とは?

一泊二日で7食!美食の船「にっぽん丸」コロナ禍初クルーズに乗ってきた

2020年11月03日 11時00分更新

文● 長浜和也 編集●ジサトライッペイ/ASCII

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クルーズ客船の食道楽は朝6時半から再スタート

 いい雰囲気のホライズンバーでカクテルを飲み干したら、時計はもう午前1時を過ぎています。心地良く眠れそうです。おやすみなさい……。

 しかし!

 船の朝は早い。午前6時半からラウンジが開いてモーニングコーヒーと軽食を提供しています。もちろん無料! 船橋の真上にあるホライズンラウンジではモーニングコーヒーとデニッシュ、クロワッサンを提供していました。

こちらは「ホライズンラウンジ」。第7甲板最前部にあって見晴らしがいい。昨夜訪れたホライズンバーはこのラウンジの左舷側後方にあります

船橋の真上ということで、眺めは船長の視点とほぼ同じ

ホライズンラウンジには双眼鏡と羅針盤、そしてGPSプロッター兼電子海図を備えており、気分はもう船長です

そんな景色のいいホライズンラウンジで、朝の6時半からモーニングコーヒーとクロワッサン、デニッシュの軽食をいただく。ちなみにこれは朝食ではなく、あくまで「軽食」です

 ここで、「おや?ずいぶんシンプルであっさりした朝ごはんですね」と思っている方がいるかもしれませんが大丈夫! 朝ごはんは「別に」あります。ラウンジのモーニングコーヒーと軽食をちょうど食べ終わる頃合いに、2つあるメインダイニングで朝食の提供が始まります。

 今回利用した春日では、スープから始まりデザートで終わる洋食コース(朝から!)です。主役は卵料理とパンケーキで、卵料理はオムレツ、スクランブルエッグ、フライドエッグ、ボイルドエッグから調理を選べるほか、トッピングとグリルドミート(ベーコン、ハム、ソーセージから選択)を指定できます。ベーコンは焼き加減も指定可能です。

朝食は午前7時に開くダイニング「春日」でモーニングコースをいただきました

器には大阪商船時代から続く商船三井客船の社旗がプリントされていました

スープ、サラダに続いて、メインディッシュの卵料理とグリルドミートが登場。私はオムレツとベーコンにしました

そしてパンケーキにはバナナをトッピング

コースの締めとなるデザートはフルーツの盛り合わせとヨーグルト

 朝ごはんが終わって、読者の皆さんは「いやー、さすがにこれで終わりですよね。たった一泊二日の航海で何食いったんですか?」と思っているかもしれません。

 しかし、甘い。

 にっぽん丸は下船ギリギリまで船客に飲食を提供し続けます。朝食が終わっても複数のラウンジが開いており、飲み物と軽食を用意しています。その中の「eカフェ&ライブラリー」では、有料ながらハンドドリップを再現する高性能コーヒーメーカーによるコーヒーに加えて、注文してから絞るフルーツミックスジュースをを提供しています。

 フルーツミックスジュースはボリュームたっぷり。その場で絞るだけあって、まるで「食べている」ような濃厚で飲みごたえある逸品です。さらに、器にも凝っていて、コーヒーは熊本県の伝統陶器「小代焼」を、フルーツミックスジュースはバリのジェンガラ陶器をそれぞれ使っています。

eカフェ&ライブラリーも2020年の大改装でレイアウトを一新した

ハンドドリップに近い風味を再現したコーヒーと日替わりのフルーツミックスジュース。この日はバナナとリンゴ、ブルーベリーに牛乳という「疲労回復とむくみ解消に効く」レシピでした

 eカフェ&ライブラリーはその名の通り、図書館を併設していてその蔵書を読みながらおいしいコーヒーを楽しめます。なお、“eカフェ”とあるように、かつてはここにデスクトップPCがあり、インターネットを利用できる施設でした。しかし、2020年の大改装でネットワーク関連設備を大幅に増強して、すべての船室とほとんどの施設で無線LANが利用できるようになりました。

 さらに今の時代、ほとんどの人がノートPCやスマートフォンを使うようになったことに伴って、eカフェではデスクトップPCを廃止して、船客が所有するノートPCやスマートフォンをWi-Fiで利用できるようにしています。eカフェ&ライブラリーのテーブルにはAC電源のコンセントも用意して、ノートPCやスマートフォンの充電にも対応しています。

従来はデスクトップPCを設置していましたが、大改装でPCを全廃。新たに設置したテーブルにはノートPCで使うAC電源コンセントを多数用意しています

にっぽん丸に搭載している通信関連のアンテナ群。船内で利用できる無線LANは、インマルサット、もしくはNTTドコモの衛星データ通信回線を経てインターネットに接続します

こちらはKVHの「TracPhone V7-HTS」とIntellian Technologiesの衛星通信アンテナドーム。TracPhone V7-HTSの転送速度は最大でダウンロード10Mbps、アップロード3Mbps

船内のいたるところには無線LANアクセスポイントとしてAerohiveの「AP250」が設置されていました。IEEE 802.11ac Wave2に対応して転送速度は理論値で最大1300Mbps

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