音質が本当に良くなった!Amazon Echo新旧モデルを聴き比べ
球形になった第4世代Echoをレビュー、ガジェットからオーディオ機器へと変貌
2020年10月28日 15時00分更新
独自開発のAZ1チップを搭載。Alexaがさらに賢くなる
2020年に発売されるAmazon Echoシリーズは、すべてのモデルがAmazon独自開発の第1世代「AZ1 Neural Edge Processor」を搭載している。従来は主にクラウド側で行っていたAlexaによる機械学習処理を、一部エッジ側のデバイスに搭載する専用プロセッサが受け持つことでパフォーマンス向上を図る。
米AmazonのDaniel氏は「スマート家電のリモコン操作など100ミリ秒単位で実感を伴うほどレスポンスが良くなる」と話していた。筆者が自宅に設置しているフィリップスのスマート照明「Hue」で試してみると、音声操作による点灯・消灯はともに新しいEchoの方がEcho Plusよりも確かに一呼吸ほど速い。スマート家電の音声操作に慣れている人ほど使いやすさの差を実感できるだろう。
AZ1エンジンにより性能が向上するのは音声操作だけではない。米国では新しいEchoシリーズの発売後からAlexaのアップデートによる新機能が順に追加を予定している。その内容にはあたかも人と会話を交わしているみたいに自然な連続会話に対応するというものから、ユーザーが発した音声コマンドの中にAlexaが理解できない言葉やフレーズが含まれていたらAlexaが聞き直す自己学習処理機能などがある。
現在Echoシリーズに実装され日本語化も完了している「音声の識別」は、Alexaが声のパターンでユーザーを識別して、自分から/あてのメッセージだけを送受信したり、Amazon Music Unlimitedファミリープランに契約していた場合、家族の声に合わせてユーザーの好みの楽曲を再生するといったことができる。米国では家族の中で子どもの声を認識した時に、AIが自動で子どもモードに切り替わる「Alexa Voice Profiles for Kids」も加わる。切り替わった後にはAlexaが子どもに話しかけるような口調で応答したり、オーディオブックの読み聞かせコンテンツなどを再生してくれる。
このほかにもBluetooth LEと900MHz帯のLPWA(Low Power Wide Area)の無線通信を使って、IoTデバイスをEchoシリーズで操作するためのワイヤレスネットワークを家の中とその周辺にも張り巡らせる「Amazon Sidewalk Bridge」という新機能がある。
米AmazonのDaniel氏は「Alexaによって人と人のコミュニケーションを豊かにするための技術革新を新しいEchoシリーズに数多く加えている。まだいくつかの機能が走り出したばかりだが、今後は便利な機能を世界の各地域に暮らすEchoユーザーの皆様が使えるように対応を広げていきたい」と話していた。各機能の日本語対応・日本上陸が待ち遠しい。
新しいEchoシリーズはオーディオとして音質が飛躍的に向上した。今後はAIの進化とともにスマートデバイスとしての魅力も増してくるだろう。いま最も買って得した気分になれるスマートスピーカーを、まずは手頃な価格で買えるEcho Dotシリーズから試してみてほしい。