米国時間9月1日、NVIDIAが発表した待望の新シリーズGPU「GeForce RTX 30」。現在のところ「GeForce RTX 3090」「GeForce RTX 3080」「GeForce RTX 3070」の3モデルが発表されており、上位の2モデルは9月に発売済み。そして10月29日、いよいよ「RTX 3070」が販売開始となった。“前世代のRTX 2080 Tiと同等、あるいはそれ以上”の性能がうたわれていることに加え、価格も全3モデルでもっとも手頃になるため、RTX 30シリーズの“大本命”と見る向きも少なくない。
この記事では登場したばかりの「RTX 3070」のスペックや機能を確認するとともに、製品ベンチマークを実施し、その特徴に迫っていこう。
性能はRTX 2080 Ti並み、実売価格8万円台後半からのバーゲンプライス
現時点で発表されているRTX 30シリーズ3モデルのうち、もっとも下位のモデルとなるのが「GeForce RTX 3070」。上位モデルと同じく、新世代のGPUアーキテクチャ「Ampere(アンペア)」が採用されており、製造プロセスがSamsung Electronics製の8nmプロセスとなるのもこれまでと同様だ。プロセス微細化による単位面積あたりのCUDAコア数増加の傾向も同じで、実に5888基を搭載。RTX 2080 TiですらCUDAコア数が4352基だったことを考えれば、その性能には期待が持てると言えるだろう。
リアルタイムレイトレーシング(DXR)に活用されるRTコアは46基で、深層学習などに利用されるTensorコアは184基で、こちらはRTX 2080 TiのRTコア68基、Tensorコア544基よりやや少なめ。ただし、RTX 30シリーズではRTコアとTensorコアの世代が更新されているため、性能は単純比較できない。このあたりの細かな性能の推移については、実際に後半のベンチマークを参照してもらうほうが早いだろう。
また、上位のRTX 30シリーズと異なる点もある。影響が大きいのは、ビデオメモリー周りのスペックだ。「RTX 3080」および「RTX 3090」にはMicron製の「GDDR6X」メモリーが搭載されていたが、「RTX 3070」には従来通りGDDR6メモリーが搭載される。仕様を確認してみると、容量8GB、バス幅は256bitとなっており、「RTX 2080 SUPER」や「RTX 2070 SUPER」と同等のものが使用されていることが分かる。こちらもRTX 2080 Tiには容量・バス幅ともに劣っており、その点においては注意が必要だろう。
映像出力端子に関しては、HDMI 2.1、DisplayPort 1.4aなど、こちらもRTX 30シリーズの他モデルと同様に8K出力が可能なHDMI 2.1端子を搭載する。接続インターフェースは他のモデルと同一で、最大でPCIe 4.0x16に対応。PCIe 4.0に対応していないIntelプラットフォームでも問題なく利用可能だ。
ちなみに消費電力は「RTX 3080」や「RTX 3090」から大幅に省電力化しており、実際のTGPは220W。これはRTX 2080 Tiの260Wよりも明確に低く、RTX 2070 SUPERの215Wより5Wだけ高い数値だ。このため、性能に対する消費電力=ワットパフォーマンスは極めて良好と言える。