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miniも登場! iPhone 12、ASCII徹底大特集 第24回

まるで料理雑誌のように映る

iPhone 12/12 Proのカメラの的確な質感表現にA14 Bionicの実力を見た(本田雅一)

2020年10月20日 22時00分更新

文● 本田雅一 編集●飯島恵里子

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切り抜く精度は上がったがグラスの判別などの弱点は残る

 ただし一つだけ不満も感じた。

 iPhone 12 Proに搭載されるLiDARが、暗所でのオートフォーカスやポートレートモードでしか使われないのだ。一般的な明るさのシーンではLiDARは用いられず、よって料理をポートレートモードで撮影する際の最短撮影距離も従来通り。

グラスの回りはボケているが、グラス越しの景色がボケないのがやや不自然

 「少しは近くから撮影できるかな?」とか、「被写体の切り抜きが上手になったかな?」という期待は脆くも崩れ去った。A14 Bionicのおかげで被写体の切り抜く精度は上がってはいるが、不得手なグラスの判別などの弱点はそのまま残っている。

 一方、HDRビデオは期待通り。HDRビデオの再生環境は必要となるが(iPhone 12/12 Pro自身があれば十分だが)、実にリアリティのあるビデオを撮影できる。今後、iPhone 12シリーズの普及が進めば、SNSでHDRビデオをシェアできる環境も整っていくだろう。

 さて、カメラ中心の評価ではあるが、この二台ならばiPhone 12を選びたい。この世代のiPhoneが持つ魅力は、そのほとんどをこのモデルで味わえる。

 もしカメラをさらに重視するのであれば、少し予算を足してでもiPhone 12 Pro Maxを選びたいところだ。なぜなら望遠カメラが65mmとなり、広角カメラのセンサーサイズ拡大、センサーシフト手振れ補正などが加わるからである。

 

本田雅一(ほんだ まさかず)
フリーランスジャーナリスト、コラムニスト。IT、モバイル、オーディオ&ビジュアル、コンテンツビジネス、モバイル、ネットワークサービス、インターネットカルチャーなど、テクノロジーとインターネットで結ばれたデジタルライフ、それらの関連技術、企業、市場動向について、知識欲の湧く分野全般をカバーする。

 

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