2020年10月19日、エムオーテックスはPC・スマホを一元管理するクラウド型のMDM「LanScope An」の最新バージョンをリリースした。セキュリティや資産管理だけでなく、テレワークで見えにくくなった働き方を見える化する新バージョンのねらいについてエムオーテックス クラウドサービス本部本部長 池田淳氏に聞いた。
情シス向けだったログをテレワーク下の働き方の改善に活かす
エムオーテックスの「LanScope An」はIT部門からPCとスマホを一括管理できるクラウド型のMDM(Mobile Device Management)サービス。同社がLanScope Catで培ってきたIT資産管理の機能が搭載されており、月額300円/台で利用できる。すでにユーザーは5000社を超えており、レビュープラットフォーム「ITreview」でもMDM・EMM(モバイルデバイス管理)部門においてLeaderを獲得しているという。
今回発表された新バージョンでは、PCとスマホを同じコンソールで管理したい、テレワークにシフトしたことで業務が見えにくくなったというユーザーの声に応え、Windows管理機能を大幅強化した。具体的には、アプリケーションの利用やWebサイトの閲覧、Wi-Fi接続など「どのPCで」「誰が」「いつ」「どんな操作をしたか」など、PCの利用状況を把握できるようになった。「PCでの業務管理にフォーカスし、テレワークにも対応しています。とにかく働き方を同じモノサシで見ることが重要です」とエムオーテックス クラウドサービス本部本部長 池田淳氏は語る。
実際にエムオーテックス社内で利用した画面を見せてもらったが、社員による自己申告ではなく、PCのログから見えた利用状況なので、当たり前のように正確。残業時間や放置時間はもちろん、使っているクラウドサービスまで一目でわかる。
従来、こうしたログは情報システム部がセキュリティやコンプライアンスの観点で利用していたが、バージョンアップにより、テレワークで見えにくくなっている働き方の可視化や改善に寄与するという。「収集したログの中で、セキュリティリスクに当たるログは実は4%程度しかなく、残りの96%は働き方の改善や人材育成に活用できます」(池田氏)とのことで、今まで宝の山だったデータをポジティブに有効活用するのが今回のバージョンアップのポイントだ。
そのためにエムオーテックスが提案するのが、データの「見える化」ではなく、「見せる化」 だ。情報システム部だけではなく、マネージャーや従業員にまでデータを見せることで、働き方についてディスカッションしていこうというもの。「スポーツの現場ではデータを見ながら監督やメンバーがディスカッションするのが当たり前になっています。働き方に関しても、LanScope Anのデータを見ながら、メンバーと上司が語り合えるようになったらよいなと思います」と池田氏は語る。
こうしたWindows PCのログ管理に加え、モバイル管理に不可欠なApple Business Manager、Android Enterpriseにも対応。端末の紛失対策だけではなく、デバイスの利用制御・アプリ管理など高度なモバイル管理を実現し、 組織のPC・スマホ・タブレットの一元管理を実現する。セキュリティや資産管理など、これまでの用途にとどまらず、テレワークで重要になる労務管理にまで用途を拡大していくバージョンアップと言えるだろう。