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日立、シャツのシワ伸ばすタテ型洗濯機 ドラム式に近づく

2020年09月28日 11時00分更新

文● 盛田諒 編集●ASCII

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ビートウォッシュBW-DKX120F
10月発売予定
想定実売価格31万円前後
日立グローバルライフソリューションズ

https://kadenfan.hitachi.co.jp/wash/lineup/bw-dkx120f/

 アスキー家事育児担当の盛田諒ですこんにちは。育児の神器と呼ばれる家電はいくつかありますが、洗濯物を干す手間を省いてくれたドラム式洗濯乾燥機は中でも群を抜いて神レベルが高い逸品でした。しかし今、どっこい生きてるタテ型洗濯乾燥機もしっかり進化してるんですよ。

 日立グローバルライフソリューションズが9月25日に発表した最上位モデルのタテ型洗濯乾燥機「ビートウォッシュBW-DKX120F」は、同社がドラム式に搭載する乾燥機能「風アイロン」が使える新製品。高速風でシワをのばしながら乾燥させて、シャツなどをアイロンいらずの仕上がりにするというもの。乾燥容量は2kg以内に限られますが、タテ型としては神器入りの予感です。

●1kg以内ならアイロンなしで着られる

 風アイロンは、「日立のドラム式はシワに強い」というイメージを作った名物機能。タテ型洗濯乾燥機に搭載するのは今回が初です。乾燥容量が1kgならアイロンをかけずに着られる仕上がりに、2kgならアイロンなしでもそれなりにシワをおさえた仕上がりに。2kg乾燥は風アイロンを搭載するドラム式の「3〜4kg乾燥」と同程度になるということでした。ちなみに、タテ型ではドラム式のように衣類を持ちあげられないため2kg乾燥が上限なのだそうです。

防シワ加工なしのシャツ(標準コース)

防シワ加工なしのシャツ(風アイロンコース)

 しくみとしては、運転時にジェットファンモーターが、時速約500kmの高速風を衣類に吹きかけます。同時に直径約52cmの大きな洗濯槽が衣類を大きく広げます。さらに、でこぼこのついたパルセーターが高速風を槽内に回し、衣類をぐわんぐわんとかくはんすることで、しわの少ない仕上がりにするというもの。ようするに強い風でブワブワと服を舞いあがらせながら乾かすわけです。

●乾燥工程
1.高速風をかけながら槽回転、羽回転
2.ヒーターを入れて温風乾燥
3.仕上げの送風乾燥

 同社 第一設計部の菅原道太主任技師は、タテ型風アイロンの開発はなかなか苦労させられたとこぼしていました。タテ型規定サイズの中で必要な風を出せるユニットや、乾燥性能と洗浄性能を両立できるパルセーターの形などに苦慮し、計300通り以上の動かし方を検討した結果、タテ型でもどうにか風アイロンが実現できたということでした。

 風アイロンは、シャツをぱりっと仕上げるだけでなく、タオルもパイルを立ちあげて、天日干し時よりもふんわり仕上げられるといいます。また衣類温度が65℃の低温乾燥なので標準乾燥時に比べ縮みもおさえられるということ。これまではドラム式の専売特許と言えた「コインランドリーのような仕上がり」が、ついに昔ながらのタテ型洗濯乾燥機でも使えるようになったというわけです。

タオル(左:天日干し、右:風アイロンコース)

●タテ型か、ドラム式か、それが問題だ

 日立のタテ型「ビートウォッシュ」シリーズは、下位モデル以外に洗剤・柔軟剤の自動投入機能を追加するなど、ドラム式「ビッグドラム」シリーズとの差をぐんぐん縮めています。今回の最上位機種BW-X120Fは、ビッグドラムと同じくスマホアプリとの連携機能も備えました。

タテ型洗濯機にも洗剤・柔軟剤の自動投入機能がついた

 ドラム式は働き盛りの子育て世帯を中心に人気ですが、比較的安い価格や、泥など固形汚れに強い洗浄力の高さ、シュッとしたボディによる設置のしやすさなどを理由にタテ型も根強い人気を誇ります。最近コードレススティック掃除機とキャニスター式掃除機も似たような進化を遂げていて、掃除機は2台持ちをする人も増えています。ただ洗濯機を2台買うわけにはいかないので、タテ型かドラム式か、悩む機会が増えることになるかもしれません。価格までドラム式に近づいたら困るのですが。

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