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通話品質も重視、ソフト更新で旧機種もANC対応に

Jabra初のANC対応完全ワイヤレス、そして無償アップデートまで──Elite 85t開発者インタビュー

2020年09月29日 14時00分更新

文● 山本敦 編集●ASCII

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ANC専用チップを載せて高度な消音性能を実現

 新製品のJabra Elite 85tは、ハウジングの外側に向けたマイクと、ノズルの内側にマイクを載せてJabra独自の高精度なデジタルノイズキャンセリングのアルゴリズムにより消音をコントロールする「Jabra Advanced Active Noise-Cancellation」を搭載した。マイクは通話用のユニットと合わせて片側3基、両側合わせて6基を内蔵する。

フィードバック/フィードフォワードのハイブリッド方式を採用する「Jabra Advanced Active Noise-Cancellation」の技術による高精度なノイズキャンセリングを実現する。

 ハウジングの構造をセミオープンとしたところは、他社の完全ワイヤレスイヤホン製品であまり見かけない特徴だ。Lilliehook氏は「密閉型のANCイヤホンはイヤーチップによる耳栓効果との掛け合わせにより、装着した際に閉塞感が感じられたり、口に食べ物などを入れたときの咀嚼音の反響が気になるという声があった。ハンズフリー通話時により自然なリスニング感を実現したかったこともあり、セミオープン構造を選んだ」と話している。

新製品の特徴についてJabraの製品を担当するFrederik Lilliehook氏にインタビューした。

 GNオーディオは、Jabra Advanced ANCの高精度な消音コントロールを実現するため、Elite 85tにはBluetoothオーディオのSoC(システム化されたICチップ)のほかに、別途ANC専用のICチップを組み込んだ。

 その利点についてLilliehook氏は「SoCが持つ機能とパフォーマンスの中で、ソフトウェア処理によってANC対応のアップグレードを実現するElite 75tシリーズよりも、Elite 85tの方がワンランク上のよりパワフルなANC効果が得られる」と説明する。またElite 75tシリーズはハウジングの外側に向けて内蔵するマイクのみで集音、アルゴリズムによるANC解析を行うフィードフォワード方式であるため、精度の差は自ずと出てくるものと考えられる。

 iOS/Androidに対応するコンパニオンアプリの「Jabra Sound+」からはノイズキャンセリングの強弱効果が調整できる。設定はオフと1段階刻みの強弱5段階を含めた6ステップ。

Jabra Sound+アプリからANCの効果を段階的に調節できる。

 Jabra Sound+はiOSのウィジェットに登録して、iPhoneで都度アプリを立ち上げることなくイヤホンのセットアップを変更できるところがいい。アプリからユーザー登録を済ませると、2年間の防塵・防水限定追加保証が受けられる。

 ハウジングを半密閉型構造としながら、本体に内蔵するマイクで外の環境音をピックアップして、リスニング中のサウンドとミックスしながら聴ける「ヒアスルー」機能も備える。ヒアスルーはオフのほか、強弱を4段階から調整できる。

 ANCとヒアスルーは一度セットした値をメモリーに登録して、以後イヤホンのリモコンボタンから素速く切り換えることもできる。

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