再生専用のスマホアプリ
前回の記事でちらっと概要だけ書いたスマホ用アプリ「AXON VIEW」(第243回「アメリカ警察のボディーカメラのデータは“証拠映像感”がすごい」)。米警察払い下げのボディーカメラ「AXON Body 2」で録画した映像を見られるアプリです。ファイル管理をするWindows用ソフトの「EVIDENCE SYNC」とは違い、AXON VIEWは再生専用のツールになります。
AXON VIEWはiOS版とAndroid版が用意されています。うちはiPhoneなのでiOS版。警察が使うということで特別な物に感じてしまいますが、App Storeで「axon view」と検索すれば普通に出てくるし、インストールも一般的なアプリと変わりません。
ログイン不要で誰でも使えます
Body 2にはオンラインとオフラインの2つの動作モードがあり、オンラインモードのBody 2は映像データをアップロードするためEVIDENCE SYNCの使用時にログインが必要でしたが、見るだけのAXON VIEWにはログイン作業はありません。法執行機関の職員じゃなくても大丈夫。誰でも使えます。
ただ、AXON VIEWを初めて起動した時は、自分の所属機関のEVIDENCE.comを入力する画面が表示されました。
一瞬、やっぱりログインが必要なのかな? と思ってしまいましたが、これは“どこの機関が所有している映像データなのか”というタグを付けるために使われるもの。
このほか任意のIDとタイトルも入れられるんですが、機関名を任意にしてしまうと自分の所属以外の機関や適当な名称を入力できてしまうことになります。それでは困るので、先に設定しておいて選択するようになっているのです。もちろん名称は設定時にネット経由でチェックされます。
Body 2とはBluetoothで接続されます
どこかの機関に所属しているわけではないので、SKIPを押して次の画面へ。
Body 2との接続はBluetoothです。カメラの一覧からBody 2を選ぶと「"Axon View"がBluetoothの使用を求めています」というお決まりのダイアログが表示されるので「OK」をタップ。続いて位置情報の使用許可のダイアログが出ますが、「許可しない」にします。スマホの位置情報を映像データに埋め込むために使われるもので、オンラインモードのBody 2でしか使用しないためです。
Bluetoothのペアリング待ちになり、「INITIATE PAIRING」を押すと接続するカメラの一覧画面が表示されますが、まだBody 2をペアリングモードにしていないので当然空欄です。
Body 2をペアリングモードにするには、中央のイベントボタンと右の側面にあるファンクションボタンを同時に長押し。同時押しって、タイミングがズレると想定と異なる動きをすることもあるからあんまり好きじゃないんですけど、何度もやっていたら片手でできるようになりました。
そのままビープ音が4回鳴るまで待つとペアリングモードになり、一覧にBody 2が表示されます。タップすると数秒で接続が完了。サムネイル画面になります。
映像の再生はWi-Fi経由で
正常にBody 2に接続されるとサムネイル画面が表示されます。
サムネイルは縦スクロール。サムネイルをタップすると再生画面になります。タグ付けもここで。
入れられるタグはIDとタイトルとカテゴリー。カテゴリーは前述のとおり所属機関のEVIDENCE.comを入力していないので使用不可です。
映像を再生するには「ACTIVATE Wi-Fi」をタップします。
設定や一覧表示などは消費電力をセーブできるBluetooth経由で実行し、通信量が多い動画再生だけWi-Fiを使っているようです。
「"Axon View"がWi-Fiネットワーク"Axon_xxxxxxxx "に接続しようとしています。よろしいですか?」というWi-Fi接続をする時のダイアログが出るので<接続>をタップ。映像の真ん中に再生ボタンが出るので、それを押すと再生されます。映像はカメラ内に保存されたままWi-Fi経由でAXON VIEWに送られます。ブルーレイレコーダーに録画した番組をほかの部屋のテレビで観るのと同じですね。
カメラの位置調整に使えることが判明
サムネイル画面で右上の「VIEW LIVE」を押すと、接続されているBody 2のリアルタイム映像を見ることができます。
これはBody 2のレンズが現在捉えている映像をそのままリアルタイムで転送するもので、iPhoneで録画できたりはしません。ただリアルタイム映像が流れるだけ。
これがいったいなんの役に立つんだろう、オマケ機能なのかな? と思ってたんですが、マニュアルを見て納得しました。カメラ位置の調整です。
確かに、テストした時に思ったんですよね。「カメラの向きはこれでいいのかな?」「どのぐらいの画角で撮れてるのかな?」とかって。胸に付けてハンヴィーを運転したんですけど、下手するとハンドルばっかりとか、上空ばっかりの映像になりかねません。まさかファインダーや液晶パネルの役割を果たす機能があるとは。オマケどころか割と重要な役割を持っていました。
現場では必須の調整機能
EVIDENCE SYNCほど豊富ではありませんが、AXON VIEWでもいくつかのカメラ設定を変更できます。
変えられるのは音量のほか、バイブレーションとステルスモード、インジケーターライトの使用・不使用だけ。なんでこの4項目なんだろうと不思議に思ったんですが、音と振動、光の設定ということは、警察官などが現場で目立たないように行動しなくてはならなくなった時のためなのかも。そうだとするとこれもまた重要な機能ですね。
AXON VIEWは簡易の再生ツールという認識だったんで、テストの時はインストールさえしてませんでしたが、こうしてみると再生機能の方がオマケ機能で、実はAXON LIVEとカメラ設定がメインなんじゃないかとさえ思えてきました。特にカメラ位置の調整には無くてはならないので、もっと早く入れておけばよかったです。Body 2を買った際はお忘れなく! って買わないか。
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