「アレクサ、ニュースを読んで」
朝6時。早起きの妻が最初に話しかけるのは、私ではなく、アマゾンのスマートスピーカー。妻の声をふとんの中で聞きながら、もうそんな時間かと目をこすっている私はアスキー家事育児担当の盛田諒です。3歳になった子どもの寝息の向こうからアナウンサーの声も聞こえてきました。Amazon Echoを使いはじめて1年ちょっと。最近はAmazon Music Unlimitedも使いはじめ、便利なところとやや不満に感じるところがわかってきました。私のアレクサライフをご紹介します。
●アレクサ基本機能編
「おはよう」
遅く起きた私が最初に話しかけるのは「おはよう」。アレクサが「おはようございます」の次に教えてくれるしょうもない豆知識が好きで、毎朝のルーティンになっています。最近は設定から「おはよう」の定型アクションを追加して、ニュース、天気予報、時報の順番で教えてくれるよう指定しています。便利。
「資源ゴミの日です」
続いて教えてもらうのがゴミの日リマインダー。いま住んでいる自治体は分別ルールが細かく、特に月1回しか回収がない日を忘れがちなので、アレクサにカレンダーを登録して教えてもらってます。「ポンポロ〜ン」と若干まぬけな音がして「資源ゴミの日です」と言い、スマホに通知をよこすので便利です。
「NHKつけて」
在宅生活になってからすっかりラジオ漬けになっていて、「radiko」のスキルでNHKラジオ第1を聴くようになりました。本当はタイムシフト機能を使って、TBSラジオ「荻上チキのSESSION-22」を聴けたらいいのですが、スキルが対応していないので、仕方なくBluetoothでiPhoneにつないで聴いています。若干不満。
「掃除して」
子どもを保育園に送り届けたあとにルンバを動かします。使っているのはルンバi7+。「掃除して」「すべての部屋を清掃しますか?」「はい」「オーケー、ローンバが清掃を開始します」だけでルンバが作動。最近は「ルンバでダイニングテーブルを掃除して」とエリアの指定もできて便利なんですが、できれば融通をきかせて「ルンバで」と言わなくてもわかるようになってほしいところ。
「5分経ったら教えて」
半年前からハウスダストとスギ花粉のアレルギー治療のために舌下免疫療法というアレルギー療法を試しています。薬を投与してから飲食まで5分間空ける必要があるので、投薬時にアレクサのタイマーをセット。身支度の片手間にタイマーをつけたり止めたりできるのが非常にラクです。Echo Dot with clockの場合、本体の周囲にカウントダウンを表示してくれるのもいい感じです。
「325gの0.3%は?」
在宅生活で増えた料理の時間、電卓代わりに使っています。無水調理をする、塩豚を作る、ザワークラウトを作る、ピクルス液を作るなど、濃度をもとに調味料の量を求める場面は意外とあるもので、手をふいてiPhoneの電卓を叩くよりラクなのでよく使っています。ただ料理中は声が聞こえにくいためか、アレクサが聞き間違えることもしばしば。
●Amazon Music編
仕事中の部屋では、Amazon MusicがBGMにうっすら流れています。8月5日に米津玄師のサブスクが解禁されてからさらに使用頻度が上がりました。とりわけ手を止めたくない仕事中は音声操作のメリットが生きますね。最上位版プランのAmazon Music HDはUltra HD(ハイレゾ音源)への対応が最大のメリット。わが家で使っているEcho 第3世代や、Echo Dot with clockにはオーバースペックですが、ネットワークオーディオでハイレゾ環境を整えている人にとってはコスパが良いですね。
「Song IDをオン」
のっけからトリビア的ですが、「まずはダリル・ホール&ジョン・オーツの『マンイーター』です」などアレクサがアーティストと曲名を言ってから曲をかける機能を使っています。これをオンにしておくと、AIがMCになったラジオのようなディストピア感があり楽しいです。曲にまつわる知識も教えてくれたら本当にMCが廃業しそう。
「じゃがたらの人気の曲をかけて」
基本的にはアーティストかジャンル縛りで曲をかけるのですが、Amazon Musicで聴ける全曲を横断して人気順で再生することがあります。そのとき知らないアーティストのアンセムをずらずら聴き、ディグるかどうかを決めるのに便利です。ただ再生回数をベースに人気度を算出しているのか、じゃがたらの人気No.1楽曲が「夢の海」(ロビンソンの庭)だったりして、やや疑問なときも。
「2010年代のEDMをかけて」
最近追えていないジャンルの動向を知りたいとき、年代とジャンルで組み合わせ検索ができるのは便利です。ただ、ジャンル分類に納得できないことが多くデータベースが若干不満です。2010年代ヒップホップで一発目にくるりの「琥珀色の街、上海蟹の朝」を流してくれたり。いやラップではあるんですけど。
「鬼滅の曲かけて」
子どもと一緒にいるときは好きなアニメのテーマをかけることがよくあります。「鬼滅の刃」くらい有名なら「鬼滅」くらい略してもアレクサはわかってくれます。ただ候補が複数ある場合、より人気度が高いほうが優先的に再生されるため、たとえば「ドラえもん」なら星野源、「ミッキーマウスマーチ」はやたら豪華なオールスターバージョンしか再生されず、自分でそれぞれプレイリストを作成することになります。アナ雪とかトトロはうまくいくんですが。
「この曲いいね」「この曲好きじゃない」
アマゾン制作のプレイリストをかけたときなどにLikeとDislikeを記録すると、レコメンドの精度が上がっていき、「私が好きな曲をかけて」というと好きな曲を再生してくれるようになります。アマゾン制作のプレイリストは若干ヒットチャート寄りで、個人的にはDislikeがたまりがち。セレンディピティという意味では「この曲に似た曲かけて」も未知のアーティスト探しに便利です。
「家事がはかどる曲かけて」
笑えるのでたまに使う機能。アマゾンおすすめのプレイリスト「家事がはかどるポップス」を流してくれるんですが、かける曲がシンディ・ローパーにファットボーイ・スリムと軒並みアッパー。スティック掃除機をフライングVよろしくぶん回し、高圧洗浄機をぶっぱなしたくなるような勢いの曲ばかりで、暮らしのテンションが上がります。
●Amazon Echoについて
前述のとおり、現在うちにいるのはAmazon Echo(第3世代)と、本体周囲のメッシュ部にデジタル時計を表示するEcho Dot with clock。Echo Dot with clockはダイニングの時計として使えるという理由で最初に選んだもの。画面つきのEcho Showは子どもがテレビのように見たがってしまい、昔のMDラジカセみたいなドット表示がちょうどいいんです。本当は曲名やアーティスト名なんかを流せたら最高なんですが難しいんですかね。通常版のEchoと比べると音質も落ちるので、できれば時計表示機能を備えた「Amazon Echo with clock」が出てきてほしい。
なんだかんだでEchoシリーズを使いはじめる前は「何が便利なんだこれは」「すぐ飽きて売るでしょ」とか言っていた私と家族ですが、いざ使いはじめてみれば毎日のように使ってしまっています。別になくても困るわけではなく、あったら便利くらいの存在なんですが、思えばそれが一番強いんですよね。「ちょっとラクだな」くらいのことが。思えばアマゾン自体も似たようなものじゃないですか。アマゾンが使えなくても困るわけではないけれど、あればアマゾンを使ってしまう。なぜならちょっとラクだから。データベースやプレイリストの品質、融通の利かなさに不満を抱きつつも使い続けてしまうのは「ちょっとラクだから」の魔力がそれだけ強いからなのだろうなと思います。
ショッピングカートにEchoシリーズをつっこんでいる方に、こちらからお伝えできるのはこれくらいです。アレクサ、ほかに書いておくことはある?
書いた人──盛田 諒(Ryo Morita)
1983年生まれ。3歳児くんの保護者です。Facebookでおたより募集中。
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