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アップアップガールズ(アスキー) 第40回

トライ&エラーを繰り返して新たな方法を模索中

アプガ山田社長が「ウィズコロナ時代」のアイドル活動を語る

2020年08月26日 17時00分更新

文● JJ 写真● 高橋智

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左から関根梓、山田社長、高萩千夏

 新型コロナウイルスの影響を受け、3月2日から6月26日まで主催イベントを全て延期・中止したアップアップガールズ。その間、様々なサービスを活用してオンライン上での取り組みを実施。そして緊急事態宣言の解除や県外移動の緩和などを経て、6月27日より観客を入れてのイベントを再開させる決断をした。

 都道府県外の移動緩和後に感染者が大きく増加するなど依然影響が大きい中で、「ウィズコロナ」時代の活動をどう動かしていくのか、オンラインとオフラインをどのように両立させていくのか、アップアップガールズ(※以下アプガ)の総合プロデューサーにして所属事務所YU-Mエンターテインメント代表取締役である山田昌治氏と、アプガ(仮)から関根梓、アプガ(2)から高萩千夏が同席し、話を聞いた。

―外出自粛期間中の活動について聞かせてください

山田

 3月1日のアプガ(仮)の公演を最後に、お客様を入れてのイベントは全て中止・延期にしました。その後、クラウドファンディングと連動した事務所全体のイベント「25時間半テレビ ~アイドルと未来へ向かう場所~ #愛で山田を救ってくれ」をニコニコ生放送で、「fanistream」で有料の生配信ライブ「おうちLIVE」を3月末に開催して、その後は「ツイキャス」や「OPENREC.tv」などを活用し様々な形でオンラインイベントを実施しました。どのサービスを使うのか、どういった形で配信するのか、手探りで進めていったので、画質や通信の安定性、有料配信の場合は支払いのしやすさなど、視聴いただいたファンの皆様からは様々なご意見をいただきました。

 ファンの皆様に快適に観ていただけることを第一にしながらも、運営者としては原価や収益も考えていかなければなりませんので、そういったご意見も参考にして、今後どのサービスを活用していくかを決めていく予定です。その中で、ファンの皆様の反応や我々としての使いやすさを考え、これからも使って行きたいサービスが2つほどに絞れてきたかな、というのが現状です。

 ソフトの面では、カメラマンがステージに上がって撮影したりなど、お客様がいないからこそできることもあるので、演出も含めたライブの在り方が変わっていくのは間違いないと思っています。

 こういった状況では何が正解かもわからないですし、とにかく動いていくしかないので、トライ&エラーを繰り返していた、というのが正直なところです。

関根

 オンラインの公演が続いたことで、演者としては目の前にファンの皆さんがいなかったので、ステージングの意識を変えざるを得ませんでした。目の前にいない分、カメラにどう映っているか、ファンの皆さんにオンラインでどう熱を伝えていくか、を常に意識してパフォーマンスしていました。ライブハウスでファンの皆さんに入っていただくライブが再開しても、入場できる人数や間隔、動き方や楽しみ方に制限が出てきますし、人数に制限がある分、オンラインでの生配信も並行して実施していく予定なので、その経験は今後に活きると思っています。

高萩

 アプガ(2)は年齢が若いメンバーが多く、メンバー間の経験に差がある分、ファンの皆さんの盛り上がりに助けられていた部分があったので、ファンの皆さんがいないライブは難しい部分がありました。でもオンラインで活動していく中で、それぞれが自分で考えて行動できるメンバーもいて、個人でのパワーアップができたのではないかと思っています。

―その中で、観客を入れるオフラインのライブ開催を決めました

山田

 緊急事態宣言が解除されて、その後に都道府県をまたいだ移動が緩和されて…、という流れの中で、今が再開できるタイミングだと思ったのが最大の理由です。まずはアプガ(2)のライブからお客様を入れることにしました。千葉県のライブハウスで開催したのですが、通常450名程度のキャパシティーがある会場で、入場を30名に制限しました。政府より発表されているイベント開催制限の段階的緩和の目安に準じて、お客様とメンバー、スタッフの距離の担保、事前に質問票記入の上でのご来場、入場前の検温といった対策は充分に行ったうえで開催させていただきました。

 その後、アプガ(仮)でも7月に大阪と名古屋、そして東京でお客様を入れた公演を開催することを決めたのですが、これは元々予定していたツアー公演を、改めて開催すると発表した、という形ですが、同様に政府と各都道府県が出している指針に沿って開催していきますので、それぞれ人数を会場キャパシティーに対して大きく制限して開催します。

 今後も状況を注視しながら、お客様を入れたライブを開催していきますが、その際はこれまでよりもチケット代金を上げていく予定です。私たちもビジネスなので、入場数の減少はチケット代金に転嫁せざるを得ません。活動を継続していくためとはいえ、ファンの皆様に負担をかけてしまう部分は申し訳ないと思っています。

関根

 私は大阪と名古屋のライブを実施すると聞いた際は率直に驚きました。人が集まる、そこで万が一感染者が出てしまう可能性がある、と考えるとまだ早いとも思いましたが、山田さんの言う通りここで踏み出さないといけないな、という想いがすぐに上回りました。まず私たちが気を付けて対策することが大前提ですが、私たちのファンの皆さんはキチンと対策してくださると信じているので、お互いに最大限準備をして開催できたらと思っています。

高萩

 私自身、まだ人が集まるところに行くのが抵抗あるので、不安はありました。私たちは6月27日にライブを開催させていただきましたが、人が密集しないように人数を制限させていただいて、会場でもファンの皆さん、メンバー、スタッフさんと最大限の対策ができたので、この方法であれば開催していけるな、と思いました。実際にファンの皆さんを目の前にすると、ファンの皆さんは観覧に制限がありましたが、私たちのパフォーマンスに反応してくれる、ということだけですごく楽しかったです。

―ライブ以外のオンラインでの活動は早かったですよね?

山田

 2月の半ばにTV電話でメンバーと会話できる「ForU」というサービスを始めたのですが、周囲の方々にも先見の明があると賞賛されましたが(笑)、もっとファンの皆さんとメンバーが触れ合う機会を増やしていきたい、ということでタッチポイントとマネタイズの拡大は常に考えている中で開始した、というのが実際のところです。実はアプガ(仮)のメンバーとはよく話していたことだったんです。ライブを第一にしながら、活動の幅は拡げていきたいよね、と。そのタイミングがちょうどドンピシャだったんです(笑)

 また現在、私たちから皆さんへのコミュニケーションという意味では、ファンクラブとファンコミュニティサービスの「fanicon」がありますが、それぞれで情報提供やコミュニケーションが取れたりしていますが、最も手軽なSNSを入口に、ファンクラブ、fanicon、さらに新サービスを作るなど、サービスに深度のようなものを構築していけたら、とは考えています。

―オフラインとオンラインを上手く活用していくのがカギになりそうですね

山田

 アプガはライブを武器にしてきたグループなので、当然ライブ活動をメインにしていきたいですが、これまでと同様の活動はできないと思うので、オンラインを上手く活用していかないといけないと思っています。

 オフラインのライブを再開して、そこでもカメラを入れて生配信をしていきますが、そこにおいては、オンラインは補完としての役割になると思います。でも今後またオフラインでのライブができなくなってくると、オンラインをメインにしていく必要があると思いますので、状況に応じて使い分けていく必要があると思います。

 オンラインが主体になってくると、公演時間の概念も変わってくる可能性があると思っています。これまでは2時間前後という公演時間が適正という面がありましたが、オンラインだとスマートフォンで視聴する方も多いので、例えば1時間以内など短い時間が適正となってくる可能性もあります。

―今後の様々な活動についてはどう考えていますか?

山田

 活動やマネタイズの方法を根本から考えていかないといけない状況だと認識しています。例えば、これまで新曲リリース時にはイベントを行ってその場で予約・販売させていただくことで多くのCDを手に取っていただいていましたが、オフラインのイベントに制限がかかる以上、これまでと同様の方法だと難しいです。その様な中で、CDリリースをクラウドファンディングで行なうということを考えています。クラウドファンディングは「資金を援助する」というイメージが先行しますが、それだけではなく、運営側の生み出すプロダクツの賛同者から資金を調達してプロダクツを作る物でもあります。つまり新譜をリリースする際にかかる費用を前払いしていただき、その資金を元にCDやMVを作り皆様に届ける事が出来るようになります。これまでは例えば100枚買っていただいていたファンがいるとして、握手何回とか撮影何回という形で特典を受けていただいていましたが、これからはファンの皆さんに前もって出していただく金額を決めていただいて、それに見合った価値のリターンを受け取っていただく形になります。この状況で制限のある中でイベントをやってということになると、販売枚数や売上が読みづらい部分がある中で、継続的に新曲を出していくために、資金を先に準備できる方法は選択肢の一つになり得ると思っています。また、クラウドファンディングというと「お金集めするだけ」と思われがちですが、それ自体がマーケティングやプロモーションにもなるとも考えます。

 それ以外にもアプガのファンの方は(仮)も(2)も熱量がある方が多いので、ファンの方を巻き込んで一緒に何かを作り上げていく、ということもできたらいいなと考えています。

関根

 私自身、アプガ(仮)はファンの皆さんに支えられていると思っています。これまではライブを第一に活動してきて、そこでの握手会や撮影会、それに関連したファンツアーなどの形でファンの皆さんと接してきましたが、感謝の気持ちをお返しできる、ということを考えたときに、その方法が増えることは個人的には歓迎しています。3~5月に実施したクラウドファンディングのリターンである特典にサインやメッセ―ジを書いていた時に、1人1人ファンの方の顔を思い浮かべて感謝しながら書きました。その時間が幸せで。山田さんの言うように、どうしてもクラウドファンディングとなるとイメージが先行してしまう部分もあると思いますが、支援いただいた価値のあるリターンを受けられる方法の一つ、として考えてもらえると嬉しいなと思います。

高萩

 関根さんと同様に、アプガ(2)ではクラウドファンディングのリターンイベントで、グループとしてもよくやっている「人狼ゲーム」をファンの皆さんと一緒にやったのですが、私たちも楽しかったしファンの皆さんもすごく喜んでくださっていました。私自身は、ファンの皆さんの大切なお金をいただいて活動しているので、それに見合ったものをお返ししていきたいと考えています。なので、こういったプレミアムイベントは、多人数が集まれない現状を考えると、一つの方法としてとても良いと感じました。

山田

 ここまでの話は、既存ファンに対して楽しんでいただく取り組みがメインになっているので、新規ファンの獲得はまた別軸で考えていかないといけません。コロナ以前と比較すると新規ファンの獲得が難しくなっていますので、無料配信ライブをやってみたり、SNSでの発信の仕方を工夫していくなど、考えていかないとなりません。

 とにかく何もしないと何も生まれません。私の事務所に所属している吉川友が在宅活動中の行動が話題になって活動の幅が拡がったように、「常に何かをしている」状況を続けていくことが大切だと思っているので、トライ&エラーを繰り返していきたいと思っています。

―ありがとうございました

今回の出演者

山田昌治(@YUMyamada) ※中央
アップアップガールズが所属するYU-Mエンターテインメント代表取締役。

関根梓(@azusasekine) ※左
1996年6月生まれの24歳。担当カラーはオレンジ。

高萩千夏(@uug2_chinatsu) ※右
1997年7月生まれの23歳。アプガ(2)のリーダー。

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☆information

YU-Mエンターテインメント
http://yum-e.jp/

山田社長YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCaIym1BothHnj_SsmetfUqQ

アップアップガールズ(仮)公式サイト
http://www.upupgirlskakkokari.com/

アップアップガールズ(2)公式サイト
https://upupgirls2.jp/

アップアップガールズ公式Twitter
https://twitter.com/uugirlsofficial

アップアップガールズ公式Instagram
https://www.instagram.com/upupgirlsofficial/

YU-M For U
https://upupgirls.foru.fan/

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