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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第109回

アップル驚きの好決算 秘訣は「オンライン化」

2020年08月12日 09時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

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●混乱で明らかになったデジタルの強さ

 いわゆるGAFAを構成する企業の1つであるアップルのめざましい決算は、同じくオンラインコマースとクラウドで好決算を叩きだしたアマゾンとともに、タイミングの悪さも感じます。

 グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルのCEOは、米国連邦議会の公聴会にリモートで呼ばれ、独占的な立場を利用してデータと富を集めているとの疑惑を投げかけられていたからです。

 これらの疑惑に対して、各社とも、競争環境と公平性を保ってビジネスをしていると答える以上のことはなかったのですが、一般的に世界中のビジネスや人々の生活継続に困難が生じている中でのGAFA企業の好決算は、心情としてもあまり説得力を持たないかもしれません。

 しかし冷たい見方をすれば、プラットホームを持つということは、ビジネスのルールメーカーになることだし、お金を膨大に集めてプラットホームの参加者に分配する機能を備えるわけです。その地位が固定化しているといっても、ある時代にそうなっているにすぎない、と歴史を振り返ればわかりそうです。

 また企業買収に関する圧力についても、必ずしもお金の力に屈して、というパターンばかりでもなく、評価が難しいところです。もちろん、「シリコンバレーでは良くあること」で片付けるのはドライすぎるかもしれませんが。

 別の視点で言うと、今回の新型コロナウイルスのような突然のリスクによる、ビジネス環境や生活様式の恒久的な変化は、デジタル転換によって防衛可です。GAFA企業のオペレーションそのもの、そして提供するサービスが、そうしたデジタル転換を支え、需要を伸ばしています。

 例えばアップルは、新型コロナウイルスの感染拡大により、製品リリースの遅延やオンラインでの発表、開発者会議のオンライン開催を余儀なくされるなど、例年通りとはいかないことばかりが続きました。それによってコストも増大しているのではないか、というのが、一般的な見方かもしれません。

 ところが、決算発表の電話会議では、意外な言葉が出てきました。交通費が減り、オペレーションコストの圧縮になったというのです。交通費とは世界中の拠点と本社を行ったり来たりする出張のことだと思われますが、これがオンライン会議に変更されて、仕事が進行するようになった、ということです。

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