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格安データ通信SIMを買って格安に使い倒す! 第156回

通信量を使い切っても最大1MbpsのUQ mobileとY!mobileを比較した

2020年07月12日 12時00分更新

文● 正田拓也 編集● ASCII

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スマホによっては、どちらか一方しか利用できないことも

 サービスが拮抗している両社だが、筆者が大きな違いと思っているのは、使用するスマートフォンに違いが出てしまうこと。最新の国内向けSIMフリースマートフォンの大半やSIMロック解除ずみのiPhoneであれば違いは無いが、通信事業者が販売した機種をそのまま使う「SIM替え」で利用する場合やスマートフォンの対応によってはどちらかを選ぶしかなくなる。

 具体的にはUQ mobileはauのネットワークを使うため特に800MHz帯でバンド18/26に対応することが使いやすさに大きく関わってくるほか、音声通話はいわゆる「au VoLTE」に対応した機種が必要になる。一部のSIMフリー機では通話ができないほか、エリアが著しく制限されることもある。

 一方のY!mobileはソフトバンクのネットワークのため、プラチナバンドにはバンド8で対応している。世界的に対応機種が多いほか、通話についてもVoLTEでなくても可能なので使える機種は多い。また、最近はXperiaなどソフトバンク仕様のスマートフォンの安値放出品をよく見かけるが、Y!mobileならネットワークとのマッチングも問題ない。

 反対にSIMロックに関してはUQ mobileが有利になる。対応は複雑なので、詳しくは両サービスの対応表を参照してほしいが、具体的な例として、auで販売されたiPhone 11はSIMロック解除なしでUQ mobileで利用できるが、ソフトバンクで販売されたiPhone 11はSIMロック解除しなければY!mobileで使えないことになっている。Y!mobileのほうが全体的にSIMロック解除の必要性が高く、扱いが面倒なのだ。

 そして、Y!mobileのSIMは種類があり、iPhone用のSIMを発行してもらうと、指定のiPhoneでしかネットワークとつながらないことがある“逆SIMロック”がある。端末について注意が必要なのがY!mobileなのだ。

特価やキャンペーンを狙うならどうすればいい?

 実際に加入するとなった場合、コストに差がつくことがある。月額利用料などは誰がどこで加入しても同条件でサービス提供されるが、加入時の特典については申込みする販売店によって大きく差が出てくるからだ。

 以前なら回線加入時にはスマートフォンを大きく値引きして提供してくれることが多かったが、通信契約と端末販売が分離された現在では、回線加入、つまりSIMだけでも開通するだけでなんらかの還元がある方向にシフトしている。

 Y!mobileは以前からのSIMだけの開通でも一部の店では特典があったが、通信の端末の分離後はより多くの店でSIMだけ開通の場合でも大きな特典が用意されていることが多くなった。公式ウェブサイトからのネット申し込みでもSIMだけでの開通の場合は6000円または3000円のPayPayボーナスがプレゼントされる。

 UQ mobileは公式ウェブサイトからネット申し込みでキャッシュバックがされるようになり、MNPなら1万円、通常の新規契約なら3000円が後日振り込まれるようになった。しかし、店頭ではSIMだけ加入した場合の特典があまり見かけない。

 現在の傾向ではネットで開通するよりも店頭のほうが特典が高額なことが多いため、UQ mobileで恩恵が受けにくいのは残念。救いはUQ mobileが販売するスマートフォンのラインナップには人気のSIMフリースマートフォンがSIMフリーのまま提供されることもあり、欲しい機種や購入時期が合致すればお得になることもある。

既存ユーザーはプラン刷新の恩恵は受けにくい

 ここまでは新規で加入する場合の両社の比較だが、既存ユーザーはどうなるのかというと意外に厳しいことになる。まず、2019年10月以降に契約しした場合は、UQ mobileの「スマホプラン」やY!mobileの「スマホベーシックプラン」ともに、契約期間などが撤廃されているのでプラン変更は自由に可能だ。

 まだ多数を占めているであろう、2019年9月までのプラン(UQ mobile「おしゃべりプラン」「ぴったりプラン」、Y!mobile「スマホプラン」など)で加入した人はどうか。これらのプランは通常2年契約前提だったので、契約解除料なしに新プランに変更するためには最初の2年契約を過ぎる必要がある。それまで旧プランのままで今回紹介した通信量を使い切ってからでも最大1Mbpsという恩恵は受けられない。

 解除料なしに新プランに変更したい場合、Y!mobileでは端末購入がともなう機種変更なら新プランに解除料なしで変更できるが、UQ mobileはそれは不可能。

 どうしてもというのであればば、いっそのこと加入時の特典をあてにしてUQ mobileユーザーはY!mobileへ、Y!mobileユーザーはUQ mobileにMNPで転出するのもありだろう。前述のようにSIMロックを解除した最近のiPhoneや、最新SIMフリー機のほとんどなら両対応するので契約してSIMを差し替えるだけ。端末をそのまま使うのでデータの移行もほぼ必要ない。

手持ち端末を確認したり、店で特典を確認したりして
オトクで失敗のない選択を

 細かな違いはあるものの、UQ mobileとY!mobileの提供サービスは全体的に似ている。持っているスマートフォンの対応の可否だけはどうしようないが、それ以外の違いがあまり気にならず、迷うようなら手持ちの端末で使えるかどうかや加入時の特典の差などで選んでしまってもよいだろう。

 そして、今回注目の容量超過しても1Mbpsで通信できる大容量プランのほか、容量超過時の速度は遅くなってしまうが月3GBのプランも通話定額や複数回線の割引を考えればオトクになる条件は揃っている。自分に合ったコスパのいい回線を選択してほしい。

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