“サブブランド”と呼ばれるUQ mobileとY!mobileの主力プランにおいて、通信量超過後の速度が最大1Mbpsとなった。両社は6~7月にかけてプランの内容を改定、1Mbpsで使い続けられれば使い方によっては容量無制限のような感覚になる。プラン内容が変化したサブブランド2社を比べてみた。
サブブランド同士で競争
大容量プランの容量超過後の速度を改善
通信量を使い切った後でも最大1Mbpsというのは、MVNO時代の楽天モバイルが2017年にサブブランドに対抗すべく、「スーパーホーダイ」プランの目玉として打ち出したのが最初。楽天モバイルは1Mbpsでも「データ使い放題」とうたっていた(混雑時間帯は最大300kbpsになる)。
楽天モバイルは今年4月に開始した自社回線サービスの「Rakuten UN-LIMIT」においても、自社エリア外のauネットワーク接続時、月5GBの超過後に最大1Mbpsで通信できる点をアピールしており、これに対抗すべく、UQ mobile/Y!mobileも追従してきた形だ。
その楽天モバイルはともかく、UQ mobileとY!mobileについては料金やサービスも一見横並びのように見える。超過後の速度が最大1Mbpsとなったのは、具体的にはUQ mobile「スマホプランR」、Y!mobile「スマホベーシックプランM/R」で、従来の速度制限がUQ mobileは最大300kbps、Y!mobileが最大128kbpsだったのが緩和される形となる。
最大1Mbpsの通信は意外と使える回線の太さと言っていい。低画質なら動画視聴もなんとかなる。テキストと静止画がメインのウェブ閲覧ならストレスを感じることはほとんどない。通信量を使い切った後も最大1Mbpsで通信ができることで、使い方によっては事実上の無制限と言ってもいいものとなっている。
肝心の月額料金だが、UQ mobileは6月に新登場した「スマホプランR」で高速データ通信容量が月10GB、通話定額オプションを付けなければ月額2980円(以下すべて税抜、ユニバーサルサービス料別)。
Y!mobileは既存の「スマホベーシックプラン」を改定して、これに対抗。7月以降、Mは高速データ通信容量を月9GBから月10GBへと増量。Rは従来どおり月14GBのまま、超過時の通信速度を高速化した。
なお、Y!mobileの料金には1回10分までの国内通話定額を含んでおり、Mが月3680円、Rが月4680円となる。しかも、加入から半年間については、月700円が割り引かれ、通話定額がセットでありながらUQ mobileと同額で提供される。
半年経過後は、両社とも1回10分までの通話定額を組み入れた場合で、月10GBの高速データ通信、超過後の1Mbps通信で月額3680円と横並びになる。
似たような料金、サービス内容も
実は細かな違いがあるUQ mobileとY!mobile
1回10分までの通話定額、月10GBの高速データ通信、超過後の1Mbps通信とした場合に横並びとなる両社だが、細かなところまで見ていくと結構な違いがある。
UQ mobileが有利なのは、通話定額がオプションなので必要なければ月2980円にできること。そして使わなかった高速データ通信量は翌月まで繰り越せることだ。
Y!mobileが有利なところは容量がさらに大きい月14GBのプランが選べることと、既存のスマホベーシックプランMやRを使っているユーザーは、何も手続きしなくても超過後に1Mbpsとなる新プランが7月から適用されていることだ。
そのほか、Y!mobileではYahoo!プレミアムが無料で利用できるほか、月500円かかる「Enjoyパック」のオプションを追加すると毎月500円のクーポンと500円分のデータ量、PayPayモール・Yahoo!ショッピング・LOHACOでのポイント増量などの特典がある。
以前は両社の違い点のひとつだった時間制限のない通話定額オプションについても、昨年12月についにUQ mobileも導入。1回10分までの国内通話定額から、さらにプラス月1000円で時間制限が無くなるのは同じで、横並びになっている。
また、高速データ通信容量は両社ともに約1年間のデータ増量が実施されているが、UQ mobileでは定額通話オプションの加入とau ID登録が条件になって一歩後退。
そして、高速データ通信の増量分は同じでも適用に違いがある。Y!mobileは500MBごとに手動または自動でチャージする必要があり、キャンペーン分の増量だけ無料になるが有効期限は月内のみ。
一方、UQ mobileは手動でデータ容量の購入が必要で、キャンペーン分だけ請求時に料金が差し引かれる仕組みだ。こちらチャージから90日間が有効期限なので、使わなければ月ごとに通信量の変動が多少あっても吸収できる。
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