アップルが自動車の開発をする……。
そんな話題が繰り返し報じられては規模が縮小されたり、立ち消えになりそうになったり、なんともよくわからない状況が続いています。
一つだけ明確なことは、米国で暮らしていると、自動車通勤が主で、そういう人にとってはクルマで過ごす時間が少なくとも平日は2時間以上存在しているわけで、ライフスタイルに寄り添うサービスを実現しようとすれば、クルマは無視できない存在というわけです。
その一方で、運転中のケータイ利用は世界中の国々で制限されており、そのためできるだけ音声インターフェイスでスマートフォンの機能が利用できるよう、アップルもグーグルも機能を充実させています。
クルマの体験についてはさまざまな要素があります。クルマを買う、シェアする、クルマのカギを開ける、エンジンをかける、行き先を決める、交通状況に合わせて最短の経路を選ぶ、安全にエンタータインメントを楽しむ、クルマの中の時間をコミュニケーションや会議などに有効活用するなど。
アップルは車内の画面をいわばiPhoneの「サブディスプレー」のように機能させ、音声コントロール主体のインターフェイスを提供するCarPlayを用意し、現在では、米国で9割以上、世界でも8割以上の新車が対応するまでに拡がりました。
今回のWWDC20では、これまで音楽やPodcast、地図、通話機能、メッセージに限定していたアプリのジャンルに、グルメガイドのアプリや駐車アプリ、EV充電マップなどに対応させ、またiOS 14のナビ機能にも、電気自動車の充電残量と連携し、EVスタンドを経由するルートの提案ができるようにするなど、車内での体験をより快適にしてきました。
今回のWWDC20では、その手前、クルマに乗り込んで走り出すまでの体験にメスを入れたのです。
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