第2世代になった新型のiPhone SEが発売されて1ヵ月以上たった。3大キャリアからの発売は若干遅くなったので、筆者のように早期に予約はしたものの手にしたのはごく最近という人もいるはず。そこで、今回はiPhone SEを格安SIMを中心にさまざまなSIMを挿してみた。
ちなみに筆者のiPhone SEはドコモで購入したもの。すでにSIMロックは解除しているので、アップルから購入できるSIMフリー版と同等で、さまざまなSIMを挿して利用できる。
新しいiPhone SE自体の特長についてはさんざん語り尽くされているので、別のレビュー記事なども参考にしてほしいが、以前からのiPhoneの操作系を引き継ぎ、現在の常識からすれば薄型コンパクトで軽量、画面も四隅までしっかり使えて上下のベゼル幅があって持ちやすい。しかも中身は最新仕様というiPhoneとなる。
新型iPhone SEのサブブランドでの利用は非常に簡単
iPhoneをMVNOの格安SIMで使う場合、一般的には構成プロファイルのインストールが必要。各サービスのウェブサイトにアクセスし、ダウンロードとインストールという手間がかかる。
しかし、3大キャリアをはじめ一部の事業者ではSIMを差し込んだだけでAPNなどの設定が完了してすぐ使える。新型のiPhone SEについては、サブブランドのUQ mobile、Y!mobileでも同様で、SIMを挿入するだけで設定が完了、すぐに通信が可能になる。
また、キャリア名の表示も「UQ mobile」や「Y!mobile」と表示され、従来とも違っていてわかりやすい。格安SIMは追加の設定が必要と言われて尻込みしている人でもまったく問題ない。SIMさえ挿入できればすぐにデータ通信と通話が可能になる。
Android機でもAPN設定はあらかじめプリセットされて選ぶだけのケースが多いが、その設定すら難しいと感じる人もいる。この点はiPhoneならではの簡単さと言えよう。
UQ mobileのSIMを挿入したところ、追加の設定は必要なく、iPhone 11などとは異なり、表示も「UQ mobile」に
Y!mobileにおいても同様だ
MVNOの格安SIMでは構成プロファイルが必要
反対にMVNOの格安SIMの大部分では、一気に設定が面倒になる。
Android機のように、主要サービスを利用していると、あらかじめプリセットされた設定を選ぶだけですむのと異なり、iPhoneでは無線LAN(Wi-Fi)で接続するなど、利用を開始する格安SIMとは別にインターネットと通信できるようにした状態で、Safariを立ち上げて指定のウェブサイトにアクセス、構成プロファイルをダウンロードして適用する必要がある。
ウェブサイトのどこに構成プロファイルがあるのかは少し難しいが、実際にはサービス名と「構成プロファイル」というキーワードで検索すれば、すぐ見つかることが多い。
構成プロファイルをダウンロードするといっても、構成プロファイルをタッチして「許可」をする。しかし、以前と違ってダウンロードしただけでは済まず、適用するには「設定」→「一般」→「プロファイル」から、ダウンロード済プロファイルをタッチして「インストール」、パスコード入力と指示に従う必要がある。途中、「フィルタリングまたは監視……」という物騒な注意も出るが、iOSではこの表示が出るのが仕様ということで、実際に監視されるものではないとMVNO側では説明している。
インストールに至るまでかなりの手順があり、iOSらしくタッチする場所が上に下にとめまぐるしく変わって面倒だが、文字をポチポチと入力する手間がないのが、AndroidのAPN設定とは違うところとなる。
そして、構成プロファイルは同時にダウンロードや適用ができるのは1つだけ。筆者のような格安SIMマニアにはSIMの交換のたびに構成プロファイルの削除とダウンロードのやりなおしが必要となるため、外出先でSIMを入れ替えて使おうとすると工夫が必要となる。
ただ、一部のMVNOの格安SIMでは構成プロファイルを必要としないところもある。それはBIGLOBEのauネットワーク利用のAプランで、3大キャリアやサブブランドと同様にSIMを刺すだけで使えるようなる。BIGLOBEは今はKDDIの子会社で、auとUQ mobileに続く第3のブランドと言えなくもないが、こんな格安SIMがこれからも出てくる可能性がある。
BIGLOBEのAプランのSIMを挿入すると自動設定だけでなく「BIGLOBE 4G」と表示される
なお、構成プロファイルを必要とする格安SIMから、自動で設定されるサブブランドやキャリアのSIMに変えるときは構成プロファイルを削除しないとデータ通信ができない。SIMの入れ替える場合は忘れずに作業したい。

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