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クアルトリクスが国内1万人の調査結果を発表、従業員の状況に対する会社側の理解とケアが重要

在宅勤務で「業務効率は下がった」が「今後も継続したい」―実態調査

2020年05月29日 12時30分更新

文● 末岡洋子 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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 新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、準備期間もなく、半ば強制的に始まることとなった日本のテレワーク/在宅勤務。これまでの「働き方改革」でも実現しなかった、社会全体を巻き込む大規模な実践経験となったことを前向きにとらえる声も多い。だが、実際のところテレワーク/在宅勤務で業務効率は上がったのか。そして、従業員は今後もそれを続けたいと考えているのか。

 その実態を明らかにするべく、エクスペリエンス管理(XM:eXperience Management)ソリューションを提供するクアルトリクスと市場調査会社のインテージでは、4月中旬から5月中旬にかけて計3回にわたる共同調査を実施し、その結果を2020年5月27日に発表した。大都市圏でも緊急事態宣言が解除となり、経済活動の復旧が本格化し始める現在のタイミングで、今後の日本社会がどんな“働き方”を推進していくべきかのヒントになりそうだ。

クアルトリクス ディレクター EX(従業員エクスペリエンス)ソリューションストラテジーの市川幹人氏

「準備なし」でいきなり始まった在宅勤務、期待と現実のギャップもあらわに

 今回の調査は、インテージが持つインターネット調査パネルから、政府の緊急事態宣言が最初に発令された7都府県(東京、埼玉、千葉、神奈川、大阪、兵庫、福岡)の従業員(会社員、派遣/契約社員、公務員、団体職員)およそ1万人を対象に、計3回実施されたもの。調査期間は、第1回が4月21日~23日、第2回が4月28日~5月1日、第3回が5月12日~5月15日。

 クアルトリクスでEX(従業員エクスペリエンス)ソリューション ストラテジーディレクターを務める市川幹人氏によると、政府が数年前から「働き方改革」の一環として推奨してきたテレワークだが、2018年時点の導入率は2割弱。さらに、ここからモバイルワークやサテライトオフィス勤務を除いた純粋な「在宅勤務」に絞ると、その数字はわずか7%でしかなく、米国の85%、英国の38%などとは比べるまでもなく低かった。

 そうした状況を一変させたのが、今回の新型コロナ感染拡大だった。ただし、今回の在宅勤務はほとんどの企業で「準備なしにいきなり始まった」ものであり、本来「働き方改革」の中で期待されていたものとのギャップがあることは否めない。

 たとえば、在宅勤務には「働く環境を自分の都合に合わせて調整できるので集中できる」という期待があるが、調査回答では「(自宅内で)物理的に業務スペースを確保できない」といった声もある。またワークライフバランスについても、「移動時間がなくなることで余った時間を有効活用できる」ことが期待されるが、現実には少数ながらも「オンとオフの区別が付きにくくずっと仕事をしている」回答者もいる。

在宅勤務の「期待と現実」。今後は顕在化したギャップを1つずつ丁寧に解消していく取り組みが必要となる

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