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モーダル小嶋のTOKYO男子めし 第14回

790円という価格に納得できるかどうか:

松屋は「ごろごろ創業ビーフカレー」でついに“カレーを食べに行くための店”になった

2020年05月27日 10時00分更新

文● モーダル小嶋 編集●ASCII

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「ごろごろ創業ビーフカレー」
松屋
790円
https://www.matsuyafoods.co.jp/matsuya/news_lp/200526.html

おいしいカレーを食べるなら松屋へ

 みなさんはおいしいカレーを食べに行くとしたら、どこに行きますか? ただのカレーじゃないですよ、おいしいカレーですよ。 ここ重要。カレー専門店。もちろんOKです。近所のレストラン。それも味わい深いですね。

 では、そういう、おいしいカレーに心当たりがない場合は? これからは松屋に行けばOKです。選択肢は松屋。それはなぜか? 「ごろごろ創業ビーフカレー」が出たから。

 牛めし、カレー、定食などを販売する「松屋」は、ごろごろ創業ビーフカレー(並790円、大890円)を5月26日から発売しました。

 牛肉の旨味が味わえる、松屋の新作カレー。牛バラ肉をとろけるまで煮込んだ松屋自慢の「創業ビーフカレー」に、口の中でほどけるごろっとした牛肉と野菜をプラスしたそう。

 また、国産のごろごろ人参とじゃがいもをふんだんにつかったとうたう、「ごろごろ"にんじゃが"創業ビーフカレー」も登場(並690円、大790円)。

 生野菜セットはプラス100円。それぞれカレー単品でも注文できます。

 テイクアウトに限り「ごろごろ創業ビーフカレー」「ごろごろ創業ビーフカレー生野菜セット」は6月9日15時まで50円引きで販売されます。「ごろごろ創業ビーフカレー(単品)」は80円引き(終了日未定)。

テイクアウトです

きちんとした欧風のビーフカレーで文句なし

ビーフは確かに“ごろごろ”サイズ

 まず、食材を受け止めるカレー、創業ビーフカレーについておさらい。牛バラによるしっかりとした旨味と甘味が感じられるだけでなく、後味にスパイシーな香りと辛味の両方が、きちんと主張する。たまねぎの甘味も活きていますね。

 牛バラ自体も、かなり煮込まれているとはいえ食感をとどめていますし、それによって生まれるコクで、味に奥行きがあるのもえらい。

 そこに、ごろごろした牛肉が入っているのですから、もう合わないわけがない。この牛肉が、いいんですよ。やわらかくて、でも歯ごたえはきちんと残っている。

 じゃがいもも、にんじんもごろごろと大きくて、存在感がしっかりあるのがうれしい。……と、ここまで書いて、完全に2019年に出た「ビーフシチュー定食」と同じ具の構成ということに気づきました。すでにノウハウはあるわけです。

野菜も大きめで歯ごたえバツグン

 それにしても、カレー自体と具材のバランスがよい、どっしりとした味わいの、きちんとした欧風カレーです。牛丼チェーンのメニューとしては群を抜いた完成度。

 ここにきて、松屋はカレーを食べに行く店になったと評しても、大げさではないでしょう。

「松屋でカレーに790円」はアリかどうか

カレー自体の味も、牛のコクとたまねぎの甘味がきっちり

 しかし、ここで、「790円」という価格が重くのしかかってきます。たとえば、松屋の名作「ごろごろ煮込みチキンカレー」は590円だったわけで、そのコスパがうれしかった。味の完成度、チキンの量、価格、バランスが絶妙でした。

 ごろごろ創業ビーフカレーは、790円。「本格的なカレーです」といえば聞こえはよいけれど、790円が出せるなら、そもそもカレー専門店や洋食店などに行けるという考えもありますよね。

 そうなってくると、店舗数が多くて、すぐに出てくるチェーン店でこれが食べられるメリットがあると考えられましょうか。でも、松屋には、これよりも安い牛めしや定食もあるわけで……。

790円の価値はありますが……

 カレーとしてのクオリティーは合格点。このカレーが790円なのは、文句はない。あとは、「松屋に、790円のカレーを食べに行くか」というところに、どのように折り合いをつけるかでしょう。

 松屋で790円のメニューを注文するかどうか……。筆者はアリだと思いますが、「牛丼チェーンにそこまでは出しにくい」と考える人の意見も、よくわかります。

 このカレーを食べに行くために松屋に行っても、損はしないはず。あとは、食生活、経済観念……おおげさかもしれませんが、ライフスタイルで判断する領域だと思います。


モーダル小嶋

 

1986年生まれ。担当分野は「なるべく広く」のオールドルーキー。編集部では若手ともベテランともいえない微妙な位置。一人めし連載「モーダル小嶋のTOKYO男子めし」もよろしくお願い申し上げます。

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