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量感と音離れの良さを兼ね備えた、低域が魅力的!

なんと180時間、長時間駆動でノリよく音楽を奏でる完全ワイヤレス「TWS04K」をレビュー

2020年05月19日 15時00分更新

文● ASCII

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モバイルバッテリーにもなる充電ケース

 連続再生時間は9時間。Androidスマホなどと接続する場合には、低遅延でビットレートの高いaptXコーデックも利用できる。aptX利用時は6時間とバッテリー消費が大きくなるのだが、遅延が気になるビデオ視聴時などには有効だ。

最大5Wの出力だが、緊急時に役立つモバイルバッテリー機能。

 イヤホンの大きさに反して、充電ケースはかなり大きめになっている。革シボ風の質感で、高級な感じだが、重量も100gほどある。これは、2600mAhという大容量のバッテリーを積んでいるためだ。ケース充電併用で最大180時間の利用が可能ということなので、一度ケースをフル充電しておけば20回分充電できる計算になる。

バッテリーケースをウォークマン(NW-A100TPS)と比較。A100シリーズの液晶ディスプレーは3.6型。

 また、この充電ケースはモバイルバッテリーとしても使える。出力は5V/1Aで、USB PDの急速充電などには対応していないようだが、USB Type-Cケーブルを用意すれば、スマホなどの充電に使える。普段スマホとバッテリーの両方を持ち運んでいた人の場合、持ち運ぶアイテムを増やさずに済み、バッテリーを持ち運ぶ習慣のなかった人は緊急時のバッテリー切れに対応できることになる。

キャラ立ちした音はオンリーワン、作りの真面目さも〇

 finalとは異なるブランドとして展開中のagシリーズ。TWS04Kのキャッチフレーズは“マニアのサブ機”だという。低価格なものから、高機能なものまで幅広い製品がひしめく完全ワイヤレス市場においてS'NEXTが重視したのは、質の高さを手の届く価格で提供することだ。

充電ケースにイヤホンを収納すると、磁石でパチンと小気味よく収まる。

 開発に際しては、デジタル処理に頼ることなく、スピーカーとしての素の特性の良さにこだわったそうだ。Bluetoothイヤホン、とりわけ完全ワイヤレス機では、小さな筐体の中に様々な部品を組み込む必要があり、スペースの制約を受けやすい面がある。有線モデルならプレーヤー側にあるDACやアンプのほか、アンテナやバッテリー、マイク、操作部材などすべて収める必要がある。設計の自由度も制限される。優れたアコースティックの特性を確保したい場合に、妥協が求められる矛盾である。

 結果、市場にはDSPで高域や低域を強調して、それっぽく聞かせているものがあふれることになる。しかし、S'NEXTはそういう安易な手法を取らず、イコライジングなしでも支障ない、素の再生能力の高さにこだわった。イコライジングは高域のわずかな部分だけに使用しているそうだ。

ケースは滑りにくい手触りで、指紋なども付きにくい。

 音質はもちろんだが、指紋が付きにくく滑りにくいケースの加工や、強めの磁石でイヤホンが「パッチン」と収まる際の気持ちよさなど、手触りの上質さも感じるできだ。フラットバランスではなく、少しローに寄っている印象もある。本機はその意味でリスニング指向。高音質イヤホンというと、傾向としてはモニター指向のものが多く、少し個性的なチューニングを施した機種にも感じるが、オンリーワン的な音が得られる機種とも言える。

 ポップスやロックなど、ビート感やノリの良さを重視する人には、特に価値ある完全ワイヤレスイヤホンになるだろう。

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