マツリカは4月30日、企業の営業活動のリモートワークに関する調査結果を発表した。
新型コロナウイルス感染症対策として、企業のリモートワーク(テレワーク)が推奨される中で、従来対面や訪問での活動が主であった営業活動にも、リモートワークの必要性が生じている。本調査は、企業が抱える営業活動のリモートワークに関する現状と課題の把握を目的として、4月20日〜4月24日の期間で、企業の経営者層、営業部門の管理職・マネージャー、営業担当者等 233名に対してオンラインでのアンケート調査を実施したもの。
約9割の人がウェブ会議ツールを使用してオンライン商談に取り組んでいる
88.4%の人が所属する営業組織でリモートワークする一方、新型コロナウイルス感染症対策の影響で商談機会数は「減ってきている」と感じる人が84.1%と多くを占めている。
商談の機会が減る中で、対策としてオンライン商談に取り組む組織は35%と最多になった。また、営業活動のリモートワークで使用するツールとして、最多は「ウェブ会議ツール(87.7%)」、次いで「チャットツール(66.8%)」となった。
課題は「オンラインでの商談や社内会議での意思疎通」が最多
営業活動のリモートワーク化で感じる課題として、最も多かったのは「オンラインでの商談や社内会議での意思疎通(44.9%)」、次いで「案件情報や営業活動の共有・可視化(39.6%)」、「案件を進める上で必要な他部署との連携(34.8%)」となり、コミュニケーションや情報共有への課題意識が高いことが明らかになったという。
一方で、回答者層別の集計では、経営・管理者層では「オンラインでの商談や社内会議での意思疎通(44.4%)」がトップだが、営業担当者層では「他部署との連携(38.7%)」に課題を抱える人が最も多く、役職によって課題意識に差があるという。
生産性が上がったと感じる人は全体の23.4%
営業活動のリモートワークにより、生産性が上がったと感じる人は全体の23.4%に留まった。営業活動のリモートワークについて、自由記述によるアンケートでは、良かった点として、「時間の有効活用ができる」「作業を遮られることが減り、業務に集中できるようになった」、困っている点として「リモートワークを行なう設備が不十分(自宅でのインターネット接続環境、所属企業のセキリュティ問題等)」「顧客がオンライン商談に対応できないことがある」「業務負担が増えた(報告業務、連絡業務が増えた等)」などの回答が見られたという。
商談機会数の減少に対して、各組織ではオンライン商談などの対策を実施する一方で、顧客や社内との意思疎通といった、ツール上でのコミュニケーションに大きな課題があることがうかがえる。また、案件情報や営業活動の共有・可視化に課題を抱える人が多いことから、今後はSFA/CRMやクラウドIP電話など、リモートワークでも営業情報を円滑に社内共有・可視化できるツールの導入が進んでいくと同社は予想している。