B&W「607」と聞き比べ、音の違いも詳しく紹介
英国ブランドのコンパクトスピーカーを聴く、タンノイ「Platinum B6」
2020年05月01日 15時00分更新
続いては、ZARDの「ZARD Forever Best - 25thAnniversary -」を聴いた。これまでの人気曲を集めた全52曲のベスト盤で、筆者はそれほど熱心に聴いていたわけではないが、ほとんどの曲を覚えており、その人気の高さ、CMやドラマの主題歌として数多くの曲が歌われてきたことに改めて感心した。曲を提供している面々も豪華だ。
[試聴曲2]ZARD Forever Best(96kHz/24bit FLAC)
moraなどで配信中
まず「負けないで」を聴いたが、ドラムが力強く鳴り、ギターのディストーションも強めに乗ったロックサウンドを、607は実にパワフルに鳴らした。透明感のあるボーカルも激しい音の伴奏に負けずに力強く歌うし、定位の良さもあって、ステージ上のボーカルを中心とした楽器の配置がわかるようなステレオイメージが展開する。ボーカルはニュアンスも豊かだし、吐息や声を張った様子がわかるほど情報量がある。細かな音まで正確に再現している印象だ。
Platinum B6はパワフルではあるが、コンサートを行っているホールで聴いているような音の響きが加わった感じになる。やや個々の音の明瞭度には差があるが、ライブ会場に居るような臨場感がある。これは、エンクロージャーの振動をうまく活かして独特の響きを加えたタンノイらしい鳴り方とわかる。ボーカルも強い音でありながらもソフトな感触で、そのぶん、タメの効いた歌い方や声の肉厚感のしっかりと出る鳴り方になっている。
このほか、Kalafinaの「ring your bell」のような、3人のボーカルが美しいハーモニーを聴かせてくれる曲では、607は3人の声がきれいに分離して、3人の声が横並びで中央付近に定位していることまでわかる。そのうえでハーモニーの美しさが響く。Platinum B6は、まずハーモニーの美しさに感動する。重層的で美しい響きだ。さらに聴き込んでいくと3人のそれぞれの声もきちんと分離しているとわかるが、定位は607に比べるとやや曖昧だ。
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