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柳谷智宣のkintoneマスターへの道 第89回

オンラインでも活況だった「Japan kintone Week」のセッションを紹介

Excel・紙業務からの脱却を図るJBCCの4つのkintone事例

2020年04月28日 09時00分更新

文● 柳谷智宣 編集●MOVIEW 清水

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kintoneと名刺管理ソリューションを連携して工数削減

 3事例目は営業の業務改善アプリとして提案したケース。顧客は自動車部品を手がける専門商社の営業部門で、従業員300人中の半分くらいが営業に携わる営業に強い会社だ。

 名刺を交換したらExcelに入力したり、日報を書いたり、取扱商材の在庫情報やパーツの情報を管理する、といった業務をExcelで行っていたので、どんどんファイルが増えてしまっていた。

 あるとき、その会社の社長が「最近、営業の人たちが会社にいることが多い」と言ったそう。Excelでの作業が増え、営業が営業活動に向かえていない、という課題が浮き彫りになり、生産性向上が求められた。

顧客情報や日報、売り上げ管理などをすべてエクセルで管理していた

 そこで、まずJBCCのソリューションである「Cloudどっと名刺」で名刺を撮影すれば名刺情報を取り込めるようにした。そこからAPIでkintoneの顧客管理アプリに連携して、日報アプリや売り上げ管理アプリにつながっていくようにした。以前使っていた複数のExcelが、ひとつのプラットフォーム上で動作するようになり、データの蓄積や「Tableau」による分析ができるようになった。

名刺管理ソリューションと連携させてkintone化することで、月間1314時間もの工数削減を実現した

手入力の工数と誤入力を減らして精度を高める

 最後の事例は、複数の食品倉庫を持っている食品卸の企業。従業員数は約300名で、発注管理部門から依頼があった。それまでは、FAXやメール添付されたExcel、ウェブサイトなどから集る受注データを複数の担当者が基幹システムに手入力しており、工数がかさんだり、誤入力が発生していたという課題があった。

複数ソースから入ってくる受注データを手入力することで工数とミスが課題になっていた

 FAXからの受注は複合機と組み合わせてデータ化した。メールやウェブ経由のデータと一緒に、共有フォルダーにアップロードし、AI-OCRでテキスト認識を行い、基幹システムに入力するようにした。しかも、この作業をRPAでロボットが自動的に行うようにしたのだ。

 このおかげで、受注担当者は今までの手入力していた業務から、データをチェックするという業務に変化し、生産性が向上したため人員の削減も実現。月間320時間もの工数を減らせる見込みだ。

「我々が持っている「Cloud AI」というチャットツールを使って、kintoneにある在庫情報をチャットで呼び出せるような仕組みをご提案して、営業活動の効率化を実現しました。手入力を自動化し、精度が上がることで、基幹システムのデータも精度が上がって、スピード感が出てきました」(宮田氏)

RPAやAIツールを活用することで、受注データの登録を自動化した

「我々が考えるkintoneのメリットは、初期投資と運用コストが非常に低いクラウドシステムという点です。パッケージ品と異なり、お客さまが自分たちで作って直せるので、部門利用には最適だと思います。拡張性もありますので、様々な業務に使っていただきながら、他のシステムと連携できるのが魅力だと感じています」と宮田氏は締めた。

kintoneを活用すれば、ビジネスの変化に対して、スピード感を持って対応できる

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