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プロジェクト責任者が語る「FIXER、Azure Expert MSPとってみた」 第6回

FIXER cloud.config Tech Blog

プロセスをハーデニングしてみよう ~「独自のやり方」をスタンダードに~

2020年03月11日 11時00分更新

文● 小林 勲/FIXER

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 本記事はFIXERが提供する「cloud.config Tech Blog」に掲載された「~Azure Expert MSP とってみた#6~プロセスをハーデニングしてみよう」を再編集したものです。

 FIXER cloud.config Division General Manager のいさおです。

 今回は、プロセスのハーデニングと題して、改善の仕方にフォーカスしてみたいと思います。

 まず、下の図を見てみてください。

 ほい。

図1 「プロセスのハーデニング」

決められているプロセスは基本行動です

 バツの方、よくやってしまうんですよ。プロセス、ガン無視。

 ガン無視した結果でとてもよい仕事をしているかもしれませんけど、「これでやる」って決めたプロセスは、まず守りましょうね。

 よくあるパターンがこの2つ。

パターン① すっとばし系

・お客様が急いでいるから。
・プロセスどおり計画しなくても高精度の作業ができるから。

 というような理由で、適切なタイミングで承認をもらわないでやっちゃうパターン。仕事がスピーディでとても良いことですが、大障害を発生させてしまったらどーします?

パターン② 自由気まま系

・こっちのツールの方が使いやすい。
・こっちのプロセスの方が正確かつやりやすい。

 というような理由で、既存のツールやプロセスとは異なることをやっちゃうパターン。記録、ナレッジがガラパゴス化し、せっかくの素晴らしいナレッジが埋もれてしまいますね。

どうやってハーデニングするの?

 パターン①も②も、結果としてどっちもとても良い可能性があります。

 そりゃそうです。どっちも、その独自のやり方でやってきてとても良い結果を出してきた歴史があるかもしれないですから。

 じゃあ、そのやり方をスタンダードにしちゃいましょうよ。この考え方が大事ですよ。

 こう思っていれば、いまある基準やプロセスを改善しようって動きになりますよね?

 よりスピーディに仕事ができるようにするためには、最低限の承認があれば大丈夫。→余計な取引コストを発生させず、守るべき急所をおさえるように改善。

 より効率よく仕事をするためには、使い勝手の良いツールにするとよい。→そのより良いツールに移行して、ナレッジ化や日々のオペレーションなど生産性を高める改善。

 こんな感じで、プロセスをガン無視するのではなく、プロセスを改善してみてください。

落とし穴がひとつある

 失敗を恐れたり、さらに良い方法があると考えて、改善できないパターン。

 ごちゃごちゃと、「こんな時はどうするんだ?」「あんなことが起こったらどうするんだ?」とか言って、改善のための一歩を踏み出さない(出せない?)のは本当に良くない。

 オーバー・プランニング(過剰計画)、オーバー・アナリシス(過剰分析)、オーバー・コンプライアンス(過剰法令順守)の三大疾病というのがあるそうです。※下記引用参照。

 この疾病によって、一歩も踏み出せないなんてことにならないように。

表面的な数字ばかり追う会社の致命的な欠点

顧客視点の「何のためにやるのか」が肝要だ

https://toyokeizai.net/articles/-/205242

東洋経済ONLINE 2018/01/22 9:00

 今回はプロセスのハーデニングとして改善する考え方を書いてみましたが、ゼロからプロセスを作り出す時も同じです。

 三大疾病にかかってしまい、簡易的なプロセスもリリースできないなんてことにならないようにしていきましょう。

 次回は「MSP実践の時」です。

 小林 勲/FIXER

 いさお、こと小林 勲です。
cloud.config DivisionのGeneral Managerをやってます。
メインフレームのオペレータからキャリアが始まり、ずっと運用畑で育ってきました。
趣味はスキー。一緒に行きましょう。

[転載元]
 ~Azure Expert MSP とってみた#6~プロセスをハーデニングしてみよう

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