小さな会社の兼任IT担当者、ネットギア「Insight」で社内ネット環境を整える 第5回
LANケーブルが引き込めないフロアもInsight対応「WAC540」でWi-Fi対応にする
“メッシュWi-Fi”対応APで社内のネット接続エリアを広げよう
2020年03月11日 08時00分更新
Insightアプリでインスタントメッシュを設定する
それでは、WAC540のメッシュWi-Fi(インスタントメッシュ)設定を行いたい。これはInsightアプリからのみ設定できる。
インスタントメッシュのアクセスポイントは、「ルート」と「エクステンダー」という役割分担になっている。ルートは有線LANでインターネット接続されているアクセスポイント、エクステンダーはそのルートや、ほかのエクステンダーに無線接続するアクセスポイントのことだ。ただしWAC540の標準設定(Auto設定)では、自動的にルート/エクステンダーの切り替えが行われる。
まずは、設定するアクセスポイントを2台とも有線LANにケーブル接続し、Insightのネットワークロケーション(本連載では「Gochisoo」ネットワーク)への追加(登録)を行う。登録手順は、2台目のWAC505の追加(第3回記事)と基本的に同じだ。Insightアプリを起動して追加先のGochisooネットワークの画面を開き、スマホカメラでQRコードを読み込むか、ネットワークスキャンで自動認識されるのを待つ。
登録後、Insightアプリでこのアクセスポイントの画面を開くと、2台ともデバイス画像の下には「ルートAP||接続済み」と表示されているはずだ。前述した自動設定によって、有線LAN接続されたアクセスポイントはルート、有線接続されていないアクセスポイントはエクステンダーになる仕組みだ。2台それぞれを、わかりやすいデバイス名に変更しておくとよいだろう(今回はそれぞれ「GochiAP-Root」「GochiAP-Extend」とした)。
またこのとき、ファームウェアが更新可能であれば、最新のものに更新しておこう。
次に、エクステンダーとして利用するWAC540(GochiAP-Extend)を有線LANから取り外し、実際の設置場所に運んでACアダプタを接続して電源を入れる。そうすると、自動的にエクステンダーアクセスポイントとして動作し、ルートアクセスポイント(GochiAP-Root)との無線接続が行われる。Insightアプリで「エクステンダーAP|接続済み」と表示されていれば、インスタントメッシュの設定は成功だ。
なお、エクステンダーアクセスポイントの設置場所は、ルートアクセスポイントからの電波が届く範囲であればどこでも自由だ。一般にアクセスポイント間の距離が短いほうがより高速かつ安定した通信が期待できるが、間を隔てる壁や床、周辺の電波環境などによって電波の強度は変化するため、一概に「何メートルまで」とは言えない。また電波は目に見えないので、アクセスポイント間のバックホールがどの程度強くつながっているのかもわかりづらい。
そこでInsightアプリでは、バックホールの電波強度を表示してくれる機能を備えている。ルート/エクステンダーアクセスポイントのデバイス画面下部に表示される「メッシュトポロジー」をタップすると、そのアクセスポイントがメッシュWi-Fi接続しているアクセスポイントが図示される。その際、お互いを結ぶ線が電波強度を示しており、緑色(非常に強い)から赤色(非常に弱い)までの4段階で色分けされる。これにより、バックホールの電波強度に問題があれば一目でわかる。
きれいにリニューアルされたリフレッシュスペースの評判は上々だ。ランチや休憩のために訪れる社員だけでなく、少し集中して考えをまとめたいとノートPCを持ち込んで作業する社員、会議室を予約するほどではない軽いミーティングに利用する社員も出てきた。ケンタロウ自身も休憩中、これまであまり接点がなかった別フロアの社員と雑談することが増え、人気商品のデータや新商品のアイディアなどを教えてもらって営業提案に生かしている。
もちろん、この場でしっかりWi-Fiが使えることも、リフレッシュスペースに対する社員の評価を高めているようだ。
「他部署の人と仕事の話で盛り上がり、『そういえば説明資料があったよな』と思っても、これまでは自席に戻らないと取り出せませんでした。今はこの場でネットにつながるから、ファイルサーバーからさっと資料を取り出して見せられます。以前よりも、いろんな話がスムーズに進むようになったと思います」
リフレッシュスペースについてのアンケートでそんな回答があったよと、総務部のイシカワがケンタロウに教えてくれた。「あとは『Wi-Fiがつながるので、毎日お昼休みは動画アプリでドラマを見ています。ありがとう』なんてのもあったな。それもこれもケンタロウ君のおかげだね、あはは」。
想像していたよりもずっと多くの社員が喜んでWi-Fiを使っていることを知り、ケンタロウは少し誇らしい気持ちになった。Insightアプリの仕組みも徐々にわかってきて、自信も出てきた。「もう少し深いところも挑戦してみたいな」と、そんなふうに思い始めていた。
(提供:ネットギア)


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