かつて高田馬場で旋風を巻き起こした「べんてん」。今から6年前、店主田中さんの諸事情によりやむなく閉店することを決意した。その噂が流れカウントダウンが始まった。
連日普段を上回る行列で、時には前日の夜から160人に及ぶ行列が出来るすさまじさで、その光景は衝撃的だった。果たして2014年6月28日を以って、19年に及ぶ営業の幕を閉じた。
そして、およそ2年のインターバルを経て2016年9月18日に成増に復活。フリークたちが大喜びし、高田馬場時代同様、近隣から苦情が出るほどの行列が復活した。
大量の豚、鶏ガラや魚介の乾物から長時間抽出されたスープは、それはそれは力強い味わい。 そのスープと滑らかな喉越しの自家製太麺が合わさると、他店無双の美味しさに病みつきにさせられる。
つけ麺は、ほどよい甘味と微かな酸味、深い旨味に彩られた味わい。
麺を浸してズルズル食らいつけば箸が止まらない美味しさ。
塩ラーメンは、麺の上に添えた千切りの長ネギに、熱々の油をジュワっと注ぎ提供される。淡白になりがちな塩スープだけど、べんてんならではの力強い味わいで、秘密の魚介エキスの元ダレが隠し味。ラーメンと2分する人気メニューだ。
いつ訪れても相変わらずの凄ウマ。すべてのラーメンは、体ごと引き込まれそうな重力さえ感じる一杯だ。
「ああ、超旨め~!」 いつもため息を漏らしてしまう美味しさだ。
成増「べんてん」
【住所】東京都練馬区旭町3-25-2
【営業】11時~14時30分
【休日】日
【アクセス】東武東上線「成増駅」南口から徒歩4分 地下鉄有楽町線・副都心線「地下鉄成増駅」1番出口から徒歩2分
小野員裕 Kazuhiro Ono (大衆料理研究家)
17歳からカレーの食べ歩きをスタート。以降、大衆料理研究家として早い時期からジャンルを問わず各メディアで情報発信。著書「魂のラーメン(プレジデント社)」はラーメンファンのみならず食に関わる多くの評論家やブロガーにも多大な影響を与えた。現在も1日1軒は食べ歩きの日々。
百麺人(https://ramen.walkerplus.com/hyakumenjin/)
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