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T教授の「戦略的衝動買い」 第561回

デカスマホ時代に“小さくすばしっこい”「Palm Phone Gold」を衝動買い

2019年12月19日 12時00分更新

文● T教授、撮影●T教授、編集●ASCII

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機内モードともマナーモードとも違う「ライフモード」オンで、画面がオフの時に通知をさせない。今、一緒に居る人、大事な会議など、現場を最優先にする仕組みだ

「Life Mode」で賢くバッテリーをセーブ

 また、Palm Phone Goldは、スマホとしては驚異的なミニマムサイズである800mAhの貴重なバッテリーを大切に使うために、単なるECOドライブモードや全ての電波を遮断する機内モードとは異なる「Life Mode」(ライフモード)という仕組みを提供している。

セットしたタイマー時間が終了した時、自らライフモードをオフにした時にたまっていた通知を一挙に送信するか否か、アプリごとに設定できる

3個のナビゲーションボタンのあるバー表示を消して、タッチボタンでその肩代わりをしてミニマルなスクリーンを少しでも広く使う

 ライフモードは、Palm Phone Goldを非使用時で画面がオフの時に、アプリによる通知を非表示設定できる機能だ。仕事に集中したい時や、彼女と食事の時、大事なクライアントとの会議などの時にライフモードが効果を発揮する。

 もちろんタイマーによる一定時間後の自動解除も可能。ライフモードから復帰した時にたまった通知をまとめて送信するアプリを個々に指定することも可能だ。注意は、LINEなどでメッセージ受信の着信音を設定していると、たまっていたお知らせが一挙に連続して届いたようになって機関銃のように着信音が周囲にもガンガン鳴って聞こえてしまうことだ。自分だけがわかるように音を小さめに設定しておくか無音状態にセットしておくのが良いだろう。

 ライフモードは、現代人のスマートフォンへの過剰な依存をリリーフし、今一緒に居る人との時間を最優先に扱い、同時に無駄なバッテリー消費を抑制するなかなか面白いアプローチだ。

スクリーンのボトムにどんと陣取るナビゲーションバーはAndroidユーザーにはおなじみだが、昨今のスマホでは非表示のできるスマホも登場してきている

Palm Phone Goldもナビゲーションバーを消してディスプレーの外にあるタッチボタンに肩代わりさせられる。画面は極めてスッキリとしたものに変貌する

 同様のセーブリソースの思想は、ジェスチャーパッドやライフモードだけではなく、一般的なAndroid系のスマホには必ずあるナビゲーションボタンを非表示にして、その代替として、タッチボタンの1回押し、2回押し、3回押しで同機能を実現させることも可能だ。これによってシンプルでスッキリしたPalm Phone Goldのホーム画面をより洗練されたクールなイメージにすることができる。

音量大小ボタンのないPalm Phone Goldでは、電源ボタンの長押しでスクリーンショットを選択する。筆者の使ってみた限り問題なくスクリーンショットは撮れるが、プルダウンメニューなどが下りたシーンなどは、メニューが巻き上がってしまって撮れなかった

 必要な機能だけを使いやすく絞り込んで、工夫を凝らした使い方を提案して創り上げていった感のあるPalm Phone Goldではあるが、そうは言っても物理的に3.3インチの画面は6インチには敵わない。

指の太い筆者でも使えないことはなかったが、文字入力にけっこう神経を使いそうだった。フリック入力の不得手な筆者には試練のはずだった

 初めてPalm Phone Goldを使って一番窮屈に感じるのは、キーボードアレルギーこそないが、広々としたQWERTY配列のキーボードで育ってきた我々パソコン世代だ。もちろんフリック入力の世代はきっと3.3インチサイズでも問題ないだろう。

Graffiti Pro for Androidを導入したら文字入力が一気に楽になって生産性がアップした。20年近く前のことだが、指先はその殆どを記憶していて感動だった。辞書の充実が今後のキーだ

 そんなパソコン世代はちょうどPalm世代ともカブっている。そこで3.3インチ画面でも快適な文字入力を実現してくれるのは伝説のGraffiti入力をAndroidで実現したACCESSの「Graffiti Pro for Android」だ。

筆者のAtom(左)とPalm Phone Gold(右)見かけと同じようにまったく性格や使途の異なる比較しづらい両者。分厚くてゴロゴロしたデュラブルなAtomとスリムでクール、プチ・ゴージャスなPalm Phone Gold

 最初は思い出しながらゆっくり始めたが、今ではフリック入力と変わらない、いやそれ以上のスピードを実現できるようになった。もう少し辞書が充実すれば少しスクリーンが小さめのスマホの日本語入力のベストコンパニオンになれるかもしれない。

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