ポルシェ・ジャパンは20日、都内にてポルシェ初となる電気自動車「タイカン」のジャパンプレミアを行なった。納車は2020年後半を予定しており、価格は未公開。ただし「現行の911と似たような値段(約1600~2000万円)になるだろう」とのこと。
最高出力761馬力! 最大トルク1050Nm!
タイカンは、パラメーラと同じセダンタイプのスポーツカー。フロントとリアに搭載された電動モーター、そして電気自動車で初の2速トランスミッションによって0~100km/hの加速は2.8秒を達成するという。最高速度は260km/hで、ローンチコントロール使用時の最大トルクは1050Nm、最高出力761馬力と脅威のパフォーマンスを実現。また0~200km/h加速を連続26回繰り返しても、そのパフォーマンスはほとんど衰えないというから驚きだ。
発表会の冒頭、8月に就任したポルシェ・ジャパンのミヒャエル・キルシュ社長は、「タイカンはポルシェの伝統と未来をつなげる1台で、電動化された魂をもつ車です。18世紀から19世紀に移動手段が馬車から車へと変わったと同じ位、現在は大きなモビリティの変革期を迎えます。ポルシェはエクスクルーシブでスポーティーなモビリティーを作るもっとも成功を納めたブランドです。それはこれからも続きます。日本におけるポルシェの新しい旅路をご期待ください」と挨拶をした。
さて、タイカンでポルシェらしい伝統を受け継ぐのが、フロントの張り出したフェンダーと低いボンネット、そしてヘッドライト周りだろう。フロントにラジエーターなどを置く必要がないことから、ボンネットはより低く設定できたことから、パラメーラよりも911に近いメリハリのあるラインとなっている。ヘッドライト分は4灯のLEDデイライトが設けられ、その下にはホイールハウスに空気を入れるためのエアダムを備える。
パワーだけでなく、スポーツカーならではの運動性能も
パフォーマンスは冒頭に書いたが、スポーツカーである以上、コーナーリング性能も気になるところ。ポルシェ・ジャパンによると「車体の下に敷き詰められたバッテリーにより、911よりも低い重心を実現。さらに全面に敷き詰めることでウエイトバランスも理想的である。ちなみにワンペダル操作を選ばず、ブレーキペダルのみで回生エネルギーを得るので、ピュアスポーツカーフィーリングを再現している」とのこと。
室内もまた、オールド911を彷彿とさせるデザインに。特にメーター周りはフル液晶でありながら、3連メーターとしている。さらにダッシュボードには助手席にまでタッチパネルLCDを配置。なんと助手席からでもナビがコントロールできるという。さらにポルシェIDとApple Musicのアカウントを連携することで、5000万曲の音楽がストリーミングで楽しめる。また、インテリアの素材もエコを意識して、同社としては初めてレザーを使わないパッケージを用意する。
ハイパフォーマンスなタイカンであるが、電気自動車である以上、気になるのは航続距離。なんと460kmを超えるというから驚きだ。充電は家庭用電源はもちろんのこと、高速道路の休憩施設などで普及している急速充電機にも対応。さらに150kW超の急速充電も開発。10分で100km分の充電を可能としている。この急速充電機は、今後全国のポルシェディーラーのほか、東京・名古屋・大阪の公共施設などにも順次設置される予定だ。
石野卓球らDJが出演する
「スコープス東京ドリブン・バイ・ポルシェ」も見逃せない
なおポルシェ・ジャパンでは、このジャパンプレミアを記念して、次世代向け独立型ブランドエキシビション「スコープス東京ドリブン・バイ・ポルシェ」を11月22日から開催する。このイベントは「想像力と共振」をテーマに、ソーシャルとエンターテインメントの両輪で、ポルシェが全世界的に次世代カスタマーと定義するミレニアル層に向けた新たなブランド価値を発信・体験する場として、2018年9月にはドイツ・ベルリンで、2019年5月にはオランダ・アムステルダムで開催したポルシェ独自のエキシビション。日本は世界で3番目の開催となる。イベントでは、タイカンの展示のほか、DJのライブパフォーマンスをはじめ、さまざまなコンテンツを用意するとのこと。
電気自動車ということで、現時点では税制面でも有利であるほか、パフォーマンス面でもガソリン車に勝るとも劣らないというタイカン。ある意味「一番維持しやすくハイパフォーマンスなポルシェ」といえそう。一日も早く日本に導入されることを期待しよう。