やっぱり一味違った低温調理
加熱時間は3分に設定。約20度の水1リットルに、約300gのトウモロコシを入れ、65度から90度までの温度設定を5度刻みで試してみた。設定温度に達するまでの時間は、30分前後。このゆっくりした加熱曲線が効いてくれるはずだ。
その結果だが、75度以下は生っぽい感じがしていまひとつ。サラダだったらいいかもしれないが、だったら生でもいいかなという感じ。そこから80度、85度と上げていくと、皮はシャキッとした食感よりも弾力が勝るようになり、フルーツっぽさが減じて、浸み出す果汁も濃い感じになってゆく。
個人的に正解だと感じたのが、90度。正直言って、こんな茹でトウモロコシは初めて、というくらいうまかった。噛むとイクラのように皮がプチっと弾け、その勢いで広がる果汁の濃厚な甘み。低温調理だとこうなるのかという、ありがたみと驚きがあった。
こうした設定によって、好みの食感を探れるのも低温調理の良さ。加熱時間や、取り出すまでの余熱も含めて追い込むと、また別の結果も得られるはず。もちろんトウモロコシの品種や鮮度によっても最適値は違うはずなので、ここから先は奥が深そうだ。
ちなみに、どの設定温度でも、加熱の前後で糖度が変わらなかった。試料に使ったのはゴールドラッシュで、どれも16度ほどの糖度だったが、茹で上がった後も16度で変わらず。これが真空パックによるものなのか、低温調理によるものなのかはわからない。
そしてもうひとつわかったのは、調理法によって違うトウモロコシの食感、味が楽しめるということ。次は簡単においしくできると最近評判の「レンチン」を試してみる。