ウォークマン40周年記念のパッケージ
「NW-A100TPS」も限定販売される
IFAの会場に展示されていたソニーのハイエンドヘッドホン「MDR-Z7MK2」でチェックした本機のサウンドは、驚くほどの臨場感にあふれていた。ディティールの描き込みがとても緻密だし、低音のスピード感、スムーズな立ち上がりと余韻の透明感はNW-ZX300シリーズよりも格段に磨きがかかっている。
NW-A105の魅力は、IFAで発表されたカラフルでデザインコンシャスなヘッドホン・イヤホン「h.earシリーズ」の最新モデルと統一した5色のカラバリが選べること。レッド/ブラック/アッシュグリーン/オレンジ/ブルーという、落ち着いたカラーが選択肢に並ぶ。なお、ZX507はブラック1色だ。
再生できるハイレゾ音源のファイル形式は上位のNW-ZX507ほど幅広くないが、ハイレゾ以外の音源も高品位にアップコンバートして再生する「DSEE HX」の機能が使えたり、ウォークマンに内蔵されている多彩なイコライザー機能はZX507と同様に利用できる。
同日、日本を除くアジア地域でもNW-A100シリーズの発売がアナウンスされた。32GBのメモリーを内蔵するアジア版モデルの「NW-A106HN」にはソニーが新たに発売するハイレゾ対応イヤホン「IER-NW510N」が同梱されることになりそうだ。互いを組み合わせれば、ノイズキャンセリングや外音取り込みの機能が使えるようになる。
ウォークマンの設定画面からはノイズキャンセリングや外音取り込みのレベルも細かく調節できる。IER-NW510Nは6mm口径のドライバーを搭載するハイレゾ対応のイヤホン。現行のウォークマンNW-A50シリーズの一部モデルに付属するイヤホン「IER-NW500N」よりも約50%のサイズダウンを図って装着感を高めた。
2つの新しいウォークマンともに、Bluetoothのオーディオコーデックはハイレゾ相当の高音質が楽しめるLDACをサポートしている。アンプにはソニー独自の「S-Master HX」を搭載。剛性の高いアルミブロックからの削り出しキャビネットを採用した点など、同クラスのポータブルオーディオプレーヤーを凌ぐこだわりを盛り込んだ。
NW-A105、NW-ZX507ともにUSB-DACやBluetoothレシーバーなどは、音楽配信サービスを単体でも楽しめることから、PCや外部ポータブルオーディオ機器との接続が不要となったことから省いた。一方で、カセットテープをメディアとしていた初代ウォークマンをイメージしたという、再生画面表示中に一定時間無操作状態になった時に表示される「カセットテープスクリーンセーバー」機能を追加している。
カセットテープのデザインは再生する音楽ファイルがハイレゾか、CD品質以上・未満かなどの条件で変わる。カセットテープメディアの全盛期にソニーが販売していた人気の商品のデザインを模しているというからおもしろい。
NW-A105ベースのバリエーションモデルとして商品化される「NW-A100TPS」もIFAで発表された。本機は2019年7月にウォークマンが40周年を迎えたことを記念に発売されるアニバーサリーモデル。カセットテープスクリーンセーバーの機能がさらに映える“のぞき窓”のある専用ソフトケースがパッケージに付属する。さらにウォークマン本体の背面には40周年特別ロゴもプリント。初代ウォークマン「TPS-L2」の雰囲気が存分に味わえる。
ヨーロッパでは11月に440ユーロ(約5万1000円)で発売が予定されているそうだ。数量や期間を限定して発売されるのか詳細は明らかにされていないが、日本にも導入されれば話題を呼びそうだ。
新しい2019年モデルのウォークマンについて、最後にもう一つ注目したいポイントを紹介しておこう。デジタルファイル再生に対応するウォークマンが長く採用してきた独自のインターフェース「WMポート」が廃止され、より汎用性の高いUSB Type-Cに変更される。
これまで旅行にスマホとウォークマンを持ち出す際には、USBケーブルのほかにウォークマン専用ケーブルも持参する必要があった。荷物になるケーブルをUSB Type-Cにまとめられるのは歓迎すべき出来事だ。USB Type-C接続のイヤホンなどアクセサリーも使えるようになるのか、日本発売後に色々試せる機会を楽しみに待ちたい。

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