WMポートからUSB-TypeCへ、音楽配信もいい音で聴ける
ソニーがIFAで新“Androidウォークマン”発表
IFA 2019に出展するソニーが、ポータブルオーディオプレーヤー「ウォークマン」の新製品を発表した。今度はAndroid搭載のハイレゾ対応ウォークマンだ。ラインアップは350ユーロ(約4万円)のエントリーモデル「NW-A105」と、上位モデルの音質を強化した「NW-ZX507」は830ユーロ(約9万7000円)の2機種。ともに価格は本体単体パッケージのもの。
ヨーロッパでは両製品とも11月から各国・地域で順次発売を予定している。日本国内の展開もありそうだ。時期はIFAの時点で明言されていないが、例年のAシリーズの発売サイクルから予想すると、10月上旬ごろではないかと筆者は予想する。
ソニーのウォークマンがAndroid OSを搭載するのは今年の2機種が初めてではなく、約4年ぶりに発売された新製品となる。今度のモデルはAndroid 9.0を搭載した状態で出荷される。
ソニーで新しいウォークマンの商品企画を担当した露木亮吾氏は、Android復活の理由を「SpotifyやAmazon Musicなどストリーミング系の音楽サービスの人気が高まっているから」と説明する。ハイレゾやCDから取り込んだ音源だけでなく、ストリーミング系の音楽コンテンツもいい音で楽しめるポータブルオーディオプレーヤーとして、新しいウォークマンの魅力をアピールしたいと露木氏は話している。
どちらのウォークマンもWi-Fi機能を搭載しており、Google Playストアからアプリをダウンロードして各音楽ストリーミングサービスが楽しめる。ソニーのワイヤレスヘッドホンやイヤホンの細かな機能をセットアップする際に使う「Sony Headphones Connect」アプリがウォークマンで使えるようになることも、対応する製品のユーザーにとっては朗報だ。
セルラー接続機能は搭載していないので、もし音楽・動画ストリーミングサービスのコンテンツをWi-Fiのない環境で楽しむ場合は、ウォークマンのストレージにキャッシュして楽しむ格好になる。
「NW-A105」は16GBの内蔵メモリーを備え、microSDカードを外部ストレージとして記憶領域を拡張できる。ストレージに保存した音楽・動画・静止画ファイルなどを再生して楽しめるが、ドキュメント系ファイルもスマホと同様にビューワーアプリを入れれば再生できるし、Wi-Fiで通信できる環境が必要にはなるがLINEやTwitterも利用可能だ。「NW-ZX507」の内蔵メモリーは64GBで、やはりmicroSDカードスロットを搭載する。本機はトレイ方式のSDカードスロットとしている。
ディスプレーは両モデルともに約3.6型液晶。解像度は1280×720ドット。スマホのようにタッチ操作に対応している。SoCは1.8GHzのクアッドコアであること以外、詳しい仕様は非公表。スマホほどではないが、タッチ操作の反応は音楽や動画のストリーミングを楽しむのに十分なレスポンスを実現できていると思うが、ゲームはコンテンツ次第で挙動が変わるため、ソニーとしてはゲームを新しいウォークマンで楽しむことを正式には推奨していない。
IFAの会場でNW-A105、NW-ZX507ともにリファレンスとして用意されていたソニーのヘッドホンで試聴することもできた。どちらのモデルも、音質は現行モデルのNW-A50シリーズ、NW-ZX300シリーズに比べると明らかにサウンドステージが広くなり、低域の重心が低くなった手応えがある。描き出される音場が縦横方向ともにグンと伸びやかになっているし、ボーカルや楽器の定位感が鮮明だ。声のリアルな質感にも引き込まれる。ノイズがとても少なく、澄み切った静寂の雰囲気が漂う中にメロディーが凛と響く。
上位のNX-ZX507は11.2MHzまでのDSD音源、384kHz/32bitまでのリニアPCM音源のネイティブ再生にも対応している。つまり、いま世の中にあるハイレゾ音源の大半を、変換処理をかけることなくストレートに再生できるのだ。そして4.4mm/5極仕様のバランス接続用ジャックを備え、バランス駆動に対応する高級ヘッドホンを接続して、より明瞭なステレオ感あふれる立体的な音楽再生が楽しめる。
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