第3世代Ryzenには12コア24スレッドモデルもあるが、伝統的なAMD CPUの魅力は「コスパ」だったはず。今Intelのメインストリーム向けCPUは8コア16スレッドのCore i9-9900Kが最上位。8コア16スレッド同士コスパでガチンコ比較をしてみたらどのような結果になるのだろうか。
第3世代Ryzenで8コア16スレッドモデルはRyzen 7 3800XとRyzen 7 3700Xがある。IntelはCore i9だから9と7という違いはあるが、先のとおり現時点でAMDはRyzen 9があるように、コア数戦争でリードしているため、ナンバリングに違いが生じている。
Ryzen 7 3800XとRyzen 7 3700Xの違いは動作クロックと消費電力。上位のRyzen 7 3800Xのほうが動作クロックは若干高い。具体的には最大ブーストが4.5GHz、ベースが3.9GHzといった具合だ。消費電力に関しては、その参考となるTDPが公開されており、105Wといった値。105Wは現在のRyzenにおける3つのTDPゾーン、105~95W、65W、45~35Wでもっとも高い。
Ryzen 7 3700Xの動作クロックは、最大ブーストが4.4GHz、ベースが3.6GHz。最大側は100MHz違いで大きな差ではなく、ベース側が300MHz抑えられている。ここがTDPに関係し、65Wという一つ低いゾーンに収まっている。
消費電力よりも性能というならばRyzen 7 3800Xの方が有利だが、冷却時の静音性のように全体のバランス、そしてもちろん価格の面で下位のRyzen 7 3700Xにも魅力がある。
まずここでCPU単体の価格を比べてみよう。
価格比較表 ※2019年8月21日秋葉原ショップ調べ | |||
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CPU | Ryzen 7 3800X | Ryzen 7 3700X | Core i9-9900K |
コア/スレッド | 8/16 | 8/16 | 8/16 |
ベース周波数 | 3.9GHz | 3.6GHz | 3.6GHz |
ターボ周波数 | 4.5GHz | 4.4GHz | 5GHz |
L3キャッシュ | 32MB | 32MB | 16MB |
実売価格 | 5万1000円前後 | 4万3000円前後 | 5万7000円前後 |
上の表は同じ8コア16スレッドCPU(OC可能な製品という条件)でまとめた価格だ。Core i9-9900Kを基準とすれば、Ryzen 7 3800Xは6000円ほど安く、Ryzen 7 3700Xはなんと1万4000円も安い。CPU性能を求める人とは少し異なるかもしれないが、例えばゲームのようにCPUだけでなくGPUにも投資が必要なニーズなら、この差額を必要なパーツに振り分けられることは大きなメリットだろう。