第3世代「AMD Ryzen 5 3600」の性能はホンモノ
Micro-ATXでもRyzen 5 3600をしっかり活かすケースとパーツ配置が魅力のゲーミングPC
2019年08月20日 09時00分更新
Zen2アーキテクチャで性能が大幅に向上し、シングルスレッド性能もインテルのCoreシリーズに比肩するまでに成長したAMDの第3世代Ryzen。この最新CPUを搭載したサイコムのBTOパソコンはすでに多数登場しているが、その多くがミドルタワーモデルとなっている。
だが、高性能でもコンパクトなモデルがほしいという要望に応えてくれたのが「G-Master Spear X570A-Mini」だ。このモデルはインテルのCoreシリーズを搭載する「G-Master Spear Z390-Mini II」のAMD版ともいえるもので、サイズこそコンパクトになっているものの、ゲーミングパソコンとしてのポテンシャルはそのままという、魅力的なモデルに仕上がっている。
今回、G-Master Spear X570A-Miniの試作モデルを借りられたので、第1回目は外観から内部構成を中心に、そして第2回目では気になる性能について、細かくチェックしていこう。
試用機の主なスペック | |
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CPU | AMD Ryzen 5 3600(3.6GHz、6コア) |
グラフィックス | GeForce RTX 2060 AERO ITX 6G OC |
マザーボード | ASRock X570M Pro4 |
メモリー | 32GB(16GB×2、DDR4-3200) |
ストレージ | Intel SSD 660p(512GB) |
PCケース | NZXT H400 |
OS | Windows10 Home (64bit) DSP版 |
フロントベイを取り払い、小さくても広い内部
G-Master Spear X570A-Miniのケースは、フラットなフロントパネルを採用したシンプルなデザインとなるNZXTの「H400」。フロントベイはないものの2つの吸気ファンを搭載し、外気をしっかりと取り入れてくれる構成になっているのが特長だ。小型ケースに高性能CPUを搭載するとケース内温度が上がりやすいだけに、強力に冷却できる構造となっているのがうれしい。
このベイを取り払うことのメリットは、吸気性能が高めやすいだけではない。ケース内が広く使えるようになるため、メンテナンス性の向上、大型ビデオカードが搭載可能になるといったメリットがある。また、見た目もスッキリするので、内部を見せる側面ガラスパネルケースであれば、クールな印象になるわけだ。
フロントベイがないと、光学ドライブをどこに装着するのかで悩んでしまうが、最近はもう光学ドライブを装備しないというのが一般的。もし使うことがあっても、外付けのUSBドライブを使うという割り切りだ。
HDD、SSDなどのストレージはどうするのかといえば、実は隠れたベイが多数用意されている。ガラスパネル面の下部にも2.5インチのベイが1つあるが見えるが、逆側面のパネルを開くと2つの2.5インチベイ、そして底面に2.5/3.5インチ共用ベイの合計4つのベイを備えている。
3.5インチの大容量HDDを多数搭載するという使い方はできないが、2.5インチのHDDやSSDなら複数搭載可能。マザーボード上のM.2スロットと合わせれば、少なくとも5台のストレージを内蔵できる計算だ。これだけあれば、容量不足で悩むことはまずないだろう。
電源スイッチとUSB、ヘッドフォン・マイク端子は天面の手前に配置されている。タワー型のパソコンは机の下、足元に置くことが多いため、こういった天面にインターフェースがまとまっていると使いやすい。
天面にはケースファンが取り付けられるようになっているが、排気に使わない場合メッシュがやや粗く、ホコリが侵入しやすくなってしまう。このホコリを防ぐため、標準で細かいメッシュのカバーが付属しているというのがありがたい。マグネットで固定されているだけなので、もちろん掃除も簡単だ。