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KDDIが描く5Gの未来を展示「KDDI 5G SUMMIT 2019」レポ

2019年07月09日 09時00分更新

文● 中山 智 編集●ASCII編集部

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ソラコムもMECに注目

 KDDIグループのソラコムも「5GがもたらすIoTとテクノロジーの民主化」をテーマにセッションを行なった。登壇したソラコム 代表取締役社長 玉川 憲氏は、ソースネクストの「ポケトーク」やボタンひとつのIoTデバイス「SORACOM LTE-M Button」を紹介。ポケトークに130ヵ国以上の地域に対応したSIM「SORACOM IoT SIM」の技術が使われており、SORACOM LTE-M Buttonには低消費電力のLTE-Mが使われている。

ソラコム 代表取締役社長 玉川 憲氏

ソラコムの技術を使った事例

ポケトークの通信機能もソラコムが使われている

ボタンひとつだけのIoTデバイス「SORACOM LTE-M Button」

 こういったソラコムのこれまでの歩みや現状のサービスなどを説明するだけでなく、玉川氏はスプロドローンの市原氏と同じく5G時代には「MCE」に注目しているとのこと。5Gの通信速度、超低遅延は自動運転や産業ロボットなどに活用できるものの、必ずしもロボットやクルマに十分な処理能力をもたせられるわけではなく、かといってクラウドで処理をしていては超低遅延が活かせない。玉川氏は、ソラコムがすでにKDDIのMECテストサイトにて実証に成功し、パブリッククラウド上のパケット交換機能を基地局に切り出して処理ができるとのことを発表した。

すでにMECでパケット交換機能の動作実験に成功しているとのこと

 プロドローンの市原氏とソラコムの玉川氏、どちらも5G時代でポイントに置いているのが「MEC」というのがおもしろい。5G時代は基地局が通信以外にも重要な役割を持つことになるわけで、KDDIの髙橋社長が基調講演でほかのキャリアよりも5G基地局の設置数が多くなることを強くアピールしたこともうなずけるわけだ。

5G時代の社会を先取りした展示ブース

 KDDI 5G SUMMIT 2019には展示ブースも用意されており、5Gに関連するサービスや技術などの展示も行なわれていた。たとえばNECの画像認識技術が使われているKDDIの「無人レジ」は、商品をテーブルに置くだけで自動認識し決済が行なえる。パッケージで形やデザインが決まっている商品だけでなく、野菜などの形が一定ではない商品も認識させるため、処理はクラウドを利用。そのため無人レジからクラウドまでの通信に5G技術が利用されているとのこと。

商品をテーブルに置くだけで認識できる「無人レジ」

商品の解析は5G回線を使ってクラウドで行なわれるシステム

 そのほか5Gドローンや自動運転対応のクルマ、見回りロボットといったソリューションが展示されており、5G時代がどのような社会になるか垣間見える展示ブースとなっていた。

5G回線で上空から4Kの空撮映像をリアルタイムで配信できるドローン

駅の安全対策に向けて開発された4Kカメラを搭載し高精細の映像を転送できるパナソニックのロボット


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