さとうなおきの「週刊アジュール」 第103回
API Managementの開発者ポータルを刷新
Power BIのCognitive Services/Azure MLサポートがGA
2019年07月01日 10時30分更新
こんにちは、さとうなおきです。「週刊アジュール」では、2019年6月9日~2019年6月15日の1週間に発表されたMicrosoft Azureの新機能から、筆者の独断と偏見で選んだトピックについて紹介していきます。
Azure Application Gateway:WAFのカスタム規則
Azure Application Gatewayは、SSLオフロード、セッションアフィニティ、 WAF(ウェブアプリケーションファイアウォール)などの機能を提供するレイヤー7のロードバランサーです。
Azure Application GatewayのWAF(ウェブアプリケーションファイアウォール)機能で、カスタム規則がGAになりました。
Azure Security Center:推奨事項/セキュリティポリシー名の統一
Azure Security Centerは、Azureリソースのセキュリティの可視化と制御を行うサービスです。
Azure Security Centerで、推奨事項とそれに対応するセキュリティポリシーの関連をわかりやすくするため、両者の名前が同じになるように変更されました。
Azure Advisor:Security Center統合など
Azure Advisorは、ベストプラクティスに従って、可用性、セキュリティ、パフォーマンス、コストの最適化のための推奨をしてくれるサービスです。
Azure Advisorで、次のアップデートがありました。
- Azure Security Centerとの統合の強化
- 推奨事項に対するバルク操作
- 20以上の高可用性、パフォーマンス、コストの推奨事項の追加
詳細は、次のページをご覧ください。
- 更新情報「Enhanced experience for Azure Advisor security recommendations」
- 更新情報「Azure Security Center と Azure Advisor との統合強化の提供開始」
Azure API Management:新しい開発者ポータル
Azure API Managementは、既存のAPIに対するAPIゲートウェイのサービスです。
Azure API Managementで、新しい開発者ポータルがリリースされました。新しい開発者ポータルは、次の特徴があります。
- JAMstackテクノロジを使って、ゼロから構築
- すぐに使えるモダンなUI
- ヴィジュアルエディターでカスタマイズ可能
- オープンソース
- マネージドサービス、または自己ホスト
- DevOpsで扱いやすい
詳細は、次のページをご覧ください。
Azure Service Fabric:6.5リリース
Azure Service Fabricは、Windows Server/Linux上で動作するマイクロサービスプラットフォームであり、コンテナーオーケストレーターでもあります。
2018年11月にリリースされていた6.4に続いて、Azure Service Fabric 6.5がリリースされました。
このリリースでは、ステートフルサービス向けの「Service Fabricアプリケーションディザスターリカバリーツール」の提供といった、新機能があります。
Azure Lab Services:PowerShell
Azure Lab Servicesは、チーム用の環境(開発/テスト環境の「Azure DevTest Labs」、教室ラボ環境)を短時間で提供できるサービスです。
Azure DevTest Labsで、ラボを管理するためのPowerShellモジュールが利用可能になりました。
Azure Cognitive Services:Power BI
Azure Cognitive Servicesは、画像認識、音声認識、自然言語処理といった、AIを活用したAPIサービスです。
Power BIは、Power BI は、データを視覚化し、組織全体で洞察を共有することができる、クラウドベースのビジネス分析サービスです。
Power BIのAzure Cognitive Servicesサポートが、GAになりました。
Azure Machine Learning:Power BI
Azure Machine Learning(Azure ML)は、機械学習の開発と実行のためのプラットフォームを提供します。Azure Machine Learningには、Azure Machine Learning Studio、Azure Machine Learningサービスという2つのサービスがあります。
Power BIのAzure Machine Learningサポートが、GAになりました。
Azure Cosmos DB:Async Java SDKでの直接モード
Azure Cosmos DBは、複数のデータモデル/APIをサポートしたグローバル分散型のNoSQLデータベースサービスです。
Azure Cosmos DBのAsync Java SDK 2.4で、直接モードのサポートがプレビューになりました。直接モードを使うと、既定のゲートウェイモードよりも高いパフォーマンスを得ることができます。
Azure SQL Database:既定値変更、Managed InstanceのGen 5/4仮想コア、開発/テスト価格、SSMS
Azure SQL Databaseは、SQL Serverベースのリレーショナルデータベースサービスです。
5月31日から6月24日までに、Azure SQL Databaseのデータベース、エラスティックプールの既定の構成が変更され、汎用(General Purpose)サービスレベル、Gen 5 ハードウェア、2仮想コアになります。
Azure SQL Databaseで、DTUベースのデータベースの既定のバックアップ保有期間が、仮想コアベースのデータベースと同じ7日間に変更されます。
Azure SQL Databaseの一機能であるAzure SQL Database Managed Instanceは、オンプレミスのSQL Serverとの100%に近い互換性を持つデータベースサービスです。
Azure SQL Database Managed Instanceの汎用/ビジネスクリティカルサービスレベル、Gen 5ハードウェアで、 最小の4仮想コアの構成が利用可能になりました。4仮想コアの構成は、これまで最小だった8仮想コアの構成の半額となります。
2018年12月に、Azureの「エンタープライズ開発/テスト」、「従量課金制開発/テスト」プランで、Azure SQL Database Managed Instanceの開発/テスト価格での提供が開始されました。
今回、「Visual Studioサブスクライバー向けの月単位のAzureクレジット」でも、Azure SQL Database Managed Instanceの開発/テスト価格での利用が可能になりました。
これによって、Azure SQL Database Managed Instanceの開発/テストワークロードでコストを削減できます。開発/テスト価格は、従量課金価格から最大で55%割引となります。
SQL Server Management Studio(SSMS)は、SQL Server、Azure SQL Database、Azure SQL Data Warehouse向けのデータベース開発、運用のための、Windowsで動作するツールです。
4月にリリースされていた18.0に続いて、SQL Server Management Studio 18.1がリリースされました。
このリリースでは、データベースダイアグラム機能が復活しました。
Azure Database for MySQL/MariaDB:インテリジェントパフォーマンス
Azure Database for MySQLは、MySQLベースのリレーショナルデータベースサービスです。
Azure Database for MariaDBは、MariaDBベースのリレーショナルデータベースサービスです。
Azure Database for MySQL、Azure Database for MariaDBで、インテリジェントパフォーマンス機能がプレビューになりました。インテリジェントパフォーマンス機能は、次の3つの機能を提供します。
詳細は、次のページをご覧ください。
- 更新情報「Intelligent Performance for Azure Database for MySQL is now in preview」
- 更新情報「Intelligent Performance for Azure Database for MariaDB is now in preview」
Azure Database for MariaDB:読み取りレプリカ、MariaDB 10.3
Azure Database for MariaDBで、読み取りレプリカがプレビューになりました。
Azure Database for MariaDBの読み取りレプリカでは、1つのAzure Database for MariaDBサーバー(マスター)のデータを、同じAzureリージョン内の最大5つのAzure Database for MariaDBサーバー(レプリカ)に非同期でレプリケートできます。
Azure Database for MariaDBが、MariaDB 10.2に加えて、MariaDB 10.3をサポートしました。
Azure Database for PostgreSQL:PostgreSQL 11
Azure Database for PostgreSQLは、PostgreSQLベースのリレーショナルデータベースサービスです。
Azure Database for PostgreSQLが、PostgreSQL 9.5、9.6、10に加えて、PostgreSQL 11をプレビューとしてサポートしました。
Azure Analysis Services:多対多リレーションシップ、計算グループ
Azure Analysis Servicesは、SQL Server Analysis Services(SSAS)ベースの分析サービスです。
Azure Analysis Servicesで、多対多(M2M)リレーションシップ、計算グループのサポートがパブリックプレビューになりました。
- 更新情報「Azure Analysis Services の多対多リレーションシップのパブリック プレビュー」
- 更新情報「Azure Analysis Services の計算グループのパブリック プレビュー」
それでは、また来週。
この連載の記事
-
第155回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《AI/IoT編》 -
第154回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《データ編》 -
第153回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《アプリ開発編》 -
第152回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《インフラ編》 -
第151回
TECH
「Ignite 2021」で発表されたAzureアップデート《ハイブリッド/セキュリティ編》 -
第150回
TECH
Azure CDNが準リアルタイムのログ/メトリックをサポート -
第149回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《AI/IoT編》 -
第148回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《データ編》 -
第147回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《アプリ開発編》 -
第146回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《インフラ編》 -
第145回
TECH
「Ignite 2020」で発表されたAzureアップデート《ハイブリッド/セキュリティ編》 - この連載の一覧へ