さとうなおきの「週刊アジュール」 第101回
Azure Event Gridが大幅に機能強化
NFSベースのファイルストレージ「Azure NetApp Files」がGA
2019年07月01日 10時00分更新
こんにちは、さとうなおきです。「週刊アジュール」では、2019年5月26日~2019年6月1日の1週間に発表されたMicrosoft Azureの新機能から、筆者の独断と偏見で選んだトピックについて紹介していきます。
Azure NetApp Files:GA
Azure NetApp Filesは、NFSベースのファイルストレージサービスです。
2018年7月にパブリックプレビューになっていたAzure NetApp Filesが、GA(一般提供)になりました。現時点では、米国、ヨーロッパの5リージョンで利用可能です。
- 更新情報「Azure NetApp Files is now generally available」
- ブログポスト「Azure NetApp Files が一般公開されました」
- ブログポスト「Microsoft Announces Azure NetApp Files is Available」
Azure Virtual Machines:Mv2シリーズ
IaaSの仮想マシン(VM)機能を提供するAzure Virtual Machinesで、5月のSAP Sapphire NOW 2019カンファレンスで発表されていた通り、Mv2シリーズがGAになりました。
Mv2シリーズは、ハイパースレッドのIntel Xeon Platinum 8180M 2.5GHz(Skylake)プロセッサ、3 TB/6 TBメモリ、最大208 vCPU を提供し、SAP HANA、SQL Serverなどの大規模データベースに最適です。
Mv2シリーズは、現時点では米国東部、米国東部2リージョンで提供されており、今後数か月で米国西部2、西ヨーロッパ、北ヨーロッパ、東南アジアリージョンでも提供される予定です。
Azure Front Door Service:WAF
Azure Front Door Serviceは、グローバルなウェブアプリケーションを高速に配信するためのセキュアでスケーラブルなエントリポイントを提供するサービスです。
4月に、Azure Front Door ServiceがGAになり、WAF(ウェブアプリケーションファイアウォール)機能がパブリックプレビューになっていました。
今回、Azure Front Door ServiceのWAF機能が、GAになりました。
Azure Cost Management:5月のアップデート
Azure Cost Managementは、マルチクラウド環境での使用料金の管理、監視、最適化のためのサービスです。
Azure Cost Managementの5月のアップデートが、まとめられています。
- 従量課金制、Azure GovernmentのAzureサブスクリプションをサポート(GA)
- Azure PortalでAWS、Azureのコストを管理(プレビュー)
- 従量課金制のAzureサブスクリプションで、請求期間を基にしてコストを監視
- より包括的なエクスポートのスケジューリング
- 日付ピッカーを拡張
- カスタマイズされたビューへのリンクの共有をサポート
詳細は、次のページをご覧ください。
- ブログポスト「Azure Cost Management updates – May 2019」
- ブログポスト「Manage your cross cloud spend using Azure Cost Management」
Azure Monitor:AKS Windowsコンテナー
Azure Monitorは、Azureにおけるフルスタックの監視サービスです。
Azure Kubernetes Service (AKS)は、マネージドKubernetesサービスです。
Azure Kubernetes Service (AKS)監視機能を提供する「Azure Monitor for containers」で、Windowsコンテナーの監視が、パブリック プレビューになりました。Linuxノードのストレージ容量の監視、アラートもサポートされました。
Azure Monitor(Azure Log Analytics、OMS)のLinux向けエージェントの4月リリース(1.10)がリリースされました。このリリースには、安定性と信頼性に関する改善が含まれています。
Azure Security Center:アダプティブネットワークのセキュリティ強化
Azure Security Centerは、Azureリソースのセキュリティの可視化と制御を行うサービスです。
5月のBuild 2019カンファレンスで、Azure Security Centerの「アダプティブネットワークのセキュリティ強化」(Adaptive Network Hardening)が、パブリック プレビューになってました。
今回、「アダプティブネットワークのセキュリティ強化」がGAになりました。
「アダプティブネットワークのセキュリティ強化」は、インターネットに接続されているVMに対して、ネットワークトラフィックと接続パターンを学習し、ネットワークセキュリティグループ(NSG)ルールの推奨事項を提供します。
- 更新情報「Azure Security Center でアダプティブ ネットワーク強化の提供開始」
- 更新情報「Security Center でのアダプティブ ネットワークのセキュリティ強化 - 一般提供の開始」
- ブログポスト「Adaptive network hardening in Azure Security Center is generally available」
Azure Logic Apps:統合サービス環境
Azure Logic Appsは、多数のコネクターを通してビジネスプロセスを自動化するワークフローを開発できる統合プラットフォームサービスです。
3月に、Azure Logic Appsの「統合サービス環境」(ISE)が、パブリックプレビューになっていました。
今回、「統合サービス環境」がGAになりました。東日本、西日本リージョンを含む多数のリージョンで利用可能です。
統合サービス環境は、Azure Logic Appsを実行するための完全に分離された専有環境です。統合サービス環境はAzure Virtual Networkの仮想ネットワーク(VNet)に配置され、Azure Logic AppsがVNetにデプロイされます。
Azure Event Grid:IoT Hubテレメトリ、Service Busハンドラー、地理DR、イベント ドメインなど
Azure Event Gridは、イベントルーティングサービスです。
Azure Event Gridで、次の新機能がリリースされました。
- Azure IoT Hubのデバイステレメトリイベント(パブリックプレビュー)
- イベントハンドラーとしてのAzure Service Bus(パブリックプレビュー)
- サーバー側での自動地理ディザスターリカバリー(DR)
- イベント ドメイン(GA)
- 最大1 MBのイベントのサポート(パブリックプレビュー)
- リスト検索API、ページネーションAPI
- 高度なフィルター(GA)
詳細は、次のページをご覧ください。
- 更新情報「Event Grid の IoT Hub デバイス テレメトリ イベント - パブリック プレビュー」
- 更新情報「Event Grid で Service Bus へイベントを発行可能」
- 更新情報「Event Grid で geo ディザスター リカバリーが使用可能」
- 更新情報「Event Grid のイベント ドメインの一般提供を開始」
- 更新情報「Event Grid で最大 1 MB のイベントをサポート - パブリック プレビュー」
- 更新情報「Event Grid の高度なフィルターの一般提供を開始」
- ブログポスト「Event Grid の最新の更新によるイベント駆動型アーキテクチャの簡略化」
Azure API Management:従量課金レベル
Azure API Managementは、既存のAPIに対するAPIゲートウェイのサービスです。
2018年12月にプレビューになっていたAzure API Managementの従量課金(Consumption)レベルが、GAになりました。米国中北部、米国西部、西ヨーロッパ、北ヨーロッパ、東南アジア、オーストラリア東部リージョンで利用可能です。
Azure API Managementの従量課金レベルは、サーバーレス型であり、呼び出し回数に応じた従量課金となります。
Azure DevOps:IPアドレス範囲の変更
Azure DevOpsは、Azure Pipelines(CI/CDパイプライン)、Azure Boards(作業追跡ツール)、Azure Artifacts(パッケージ生成/共有)、Azure Repos(プライベートGitリポジトリ)、Azure Test Plans(テストソリューション)で構成される、開発チーム向けのサービスです。
7月1日までに、Azure DevOpsで使われるIPアドレス範囲が変更されます。
それでは、また来週。
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