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個人/法人PCからデータセンター製品までをカバー「Dell EMC 宮崎カスタマーセンター」訪問記

宮崎で聞いた、デルとEMCの統合でサポート体制はどう強化されたか

2019年05月29日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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羽田に倉庫を新設、物流強化だけでなくキッティングやショールーム機能も

 さらに高橋氏は、全国19か所の保守サービス/部品拠点で「日本全国の95%を4時間以内にカバーする」現在の体制に加えて、新たに東京・羽田に倉庫を新設する計画を、今回の説明の中で初めて明らかにした。

 新設される倉庫にはキッティングセンターやショールームも併設される予定であり、製品や部品の物流体制を強化するだけでなく、顧客ニーズに沿ったカスタマイズへの対応、導入支援やソリューション提案の場としても活用される。三井不動産ロジスティクスパーク羽田の中に設置され、2019年7月の竣工予定。首都高速1号線沿いにあるため、そこから見えるかたちで「Dell EMC」の看板も設置する。

 国内のサポート体制もさらに強化していくという。

 まずハイパーコンバージドインフラ製品の「VxRail」向けには、ヴイエムウェア日本法人と連携してVMware認定エンジニアを増強する。これまで、高度な専門知識を有するL3/L4サポートについては海外拠点を利用していたが、国内で対応可能な体制を整え、さらにはDell EMC技術者も常駐させる。高橋氏は、「VMwareの上位サポートを日本国内から提供するのはDell EMCだけ。これが実現できるのも、ヴイエムウェアがデル・テクノロジーズグループだからこそ」と胸を張る。

 ミッドレンジ/ハイエンドストレージ向けでは、これまで海外からのサポート体制だったものを、国内の保守エンジニアによる「24時間×365日」のサポート体制へと強化。日本語対応を可能にするとともに、HCIやNAS、バックアップ製品を含めた多岐に渡るプロダクトをサポートするとしている。

 また、「グローバルコマンドセンター(GCC)による監視対象の拡張」では、リアルタイムでの保守サービスの監視に加えて、プロアクティブな計画と継続的なコミュニケーション、自然災害や停電などの深刻な状況における危機対応についても、緊急の要員を動員して対応できる体制を構築。被害を最小限に抑えるという。

 そして、「レジテンシサービス(常駐型サービス)の拡張」として、運用支援サービスと運用内製化サービスを強化。運用品質の安定化とともに、作業効率化や課題解決施策の提言、技術者の早期育成支援などを行う。「レジテンシサービスは、もともとはEMCが提供していたサービスであったが、これまでのストレージ製品の実績をもとに、サーバーやクライアント製品にも対象を拡張。また、大規模システムだけでなく、中京規模のシステムにも提供が可能なサービスに進化させている」という。

コンテストで最優秀賞を受賞、正社員によるコールセンター運用の強みとは

 Dell EMC 宮崎カスタマーセンター長 兼 カスタマーサポートサービス部長の石口靖信氏は、同センターの概要について説明した。

 2005年11月に設立された宮崎カスタマーセンターでは、現在約450人の正社員が、法人向け/個人向けPCのほか、サーバーやストレージ、ネットワークなどのエンタープライズ製品、ソフトウェア製品のサポート業務に従事する。メーカー正社員によるコールセンターとしては「国内最大規模」だという。

 宮崎市内にはコールセンター事業者が数多く進出しているが、同センターは2017年に行われた「第一回みやざきコールセンターコンテスト」でベストカンパニーアワード(最優秀賞)を受賞、また2019年の「ひなた企業対抗コールコンテスト2019」においても、最優秀賞を受賞している。

2017年の「第一回みやざきコールセンターコンテスト」では、最優秀賞にあたるベストカンパニーアワードを受賞した

 日経コンピュータの顧客満足度調査では、デスクトップPC、ノートPC、ストレージ部門で1位となったが、これも宮崎カスタマーセンターのサポート業務が大きく貢献しているという。石口氏は、正社員によるコールセンター運用のメリットと同センターの強みを次のように語る。

 「正社員エンジニアが100%初期コールに対応し、約7割を初期コールで解決している。内部に蓄積した知見を最短でお客様に還元できる体制とし、同時に高いロイヤリティと情報の機密性を担保することができる」「グローバルチームとの協業や、ナレッジの共有化も進めており、安心してデルのエンタープライズ製品を活用してもらえる環境を作っている」(石口氏)

 同センターでは成果主義を積極的に導入しており、いかにして顧客満足度を高めるか、いかにして対応と解決を迅速化するかといった点を数値化して評価しているという。また社員教育では各種認定資格の取得を促しているほか、カスタマーセンターの社員を川崎本社に派遣し、オンサイトサポート/修理の現場を訪問する「カスタマービジットプログラム」も実施していると説明した。

 デルのサーバーやストレージ、PC事業は、日本でも拡大基調にあるが、こうしたサポート体制の強化が、その成長を下支えしていると言えそうだ。

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