グーグルの子会社であるディープマインドが、36時間先の出力を予測することで、風力発電の利用を促進する機械学習モデルを開発した。
発電機のコストが下がったことで風力発電の導入が拡大しているが、日頃から発電量が予測できないという課題を抱えている。それが原因となり、一定時間確実に電力を供給できる他のエネルギー源に比べて風力発電の利用は制限されているのだ。
ディープマインドのブログ投稿によると、同社は2018年から課題解決のため、米国にあるグーグルの風力発電所を有効利用するアルゴリズムの開発に取り組み始めた。研究チームは気象予測と過去の発電機のデータに基づいてニューラル・ネットワークを訓練し、36時間先の電力出力量を予測できるようになった。このシステムでは予測に基づき、送電網に対して1日あたりの電力をどう割り当てるかを推奨する。その結果、グーグルの風力発電所の「価値」が約20%向上したと、ディープマインドは主張している。ただし、どのような形でどのような「価値」が得られ、それがどうやって測定されているかは、実際には説明されていない。
これまでのところ、グーグル社内でテストされてきただけだが、グーグルがこのテクノロジーを風力発電事業者に販売しようとしていることは容易に想像できる。また、グーグルのカーボンフリーの取り組みを後押しすることにもなる。