満漢全席を食らえ!JAWS DAYS 2019レポート 第2回
クラウド時代の学習サイクルについてAWSJ亀田エバが語る
エンジニアの心のよりどころとは?AWSがJAWS-UGにメッセージ
2019年02月25日 09時30分更新
2019年2月23日、クラウドコミュニティJAWS-UGの年次イベント「JAWS DAYS 2019」が開催された。参加登録2450名という大型イベントの冒頭、AWSJのコミュニティ担当、エバンジェリストが登壇し、「AWSからJAWS-UGに向けてのメッセージ」を送った。
参加登録2450人となった今年のJAWS DAYS
朝10時からスタートしたJAWS DAYS 2019。開会宣言に続いて、今回のJAWS DAYS 2019の実行委員長である吉江瞬さん、アマゾン ウェブ サービス ジャパンの沼口繁さんが登壇し、JAWS-UGやJAWS DAYSの経緯について説明した。
JAWS-UGの発足は2010年にさかのぼり、2011年にはユーザーイベントとして「JAWS SUMMIT」が初開催される。その後、2013年に東京ビッグサイトでJAWS DAYS 2013が開催され、毎年この時期に開催されている。ちなみに1日しか開催しないのに「DAYS」なのは、初回のJAWS DAYS 2013が2日間に渡って開催されたからだという。
今回のJAWS DAYS 2019は、JAWS SUMMITから数えて9回目、JAWS DAYSになってからは7回目となる。最終的な登録人数は2450名を超え、過去最高となった。実行委員は7人で、企業・個人サポーターは112、ボランティアスタッフは150人に上る。お弁当は1000食、キッチンカーも400食、ノベルティのどら焼きも1500食用意されたとのこと。やはりコミュニティのイベントとしては未曾有の規模というわけだ。
沼口さんの紹介により、ビデオレターで登場したAWSJ代表取締役社長の長崎忠雄社長は、「この9年間に渡る素晴らしいJAWS-UGの活動により、AWSを採用されたエンタープライズの中には、その採用理由の1つとしてJAWSの存在を挙げられるお客様がたくさんいます」と語り、JAWS-UGへの感謝を示し、イベントの成功を祈念した。ちなみに同日2月23日はJAWS-UGの発足した日にあたり、いよいよ10年目を迎えたことになるという。
また、米AWSで15年に渡ってブログを書き続けているジェフ・バー氏のビデオレターも披露された。バー氏は、JAWS-UGの0回の勉強会のスピーカーでもあり、日本に何度も来日。昨年はJAWS DAYSにも登壇している。バー氏は、「たくさんの参加者と会ってください」「セッションを楽しんでください」「それを持ち帰ってシェアしてください」という3つをアドバイスし、2020年のJAWS DAYSへの再訪を誓った。
クラウド時代の学習サイクル形成にもAWSは寄与できる
続いて登壇したAWSJ エバンジェリストの亀田治伸さんは、「Learn and Be Curiousのその先へ AWSを使うみなさんに、JAWS DAYSが伝えるもの」というセッションを行なった。
昨年のJAWS DAYS 2018において、亀田さんは海外のエバンジェリストを迎えたパネルディスカッションでテーマとなった「Learn and Be Curious」というフレーズを紹介する。これはAWSが掲げる14あるリーダー指標の1つで、面接の時もこの指標を重視する。「好奇心を持って学ぶのではない。学びたいという気持ちを元より持ち、なおかつ好奇心を忘れないこと。これが変化し続ける世界の中、われわれが一番大事にしなければならないものだと思う」(亀田さん)。
世の中のトレンドは移り変わりが早い。今のクラウドサービスは生まれては消えていくようなそんな技術トレンドを雑多に飲み込んで、成長を続けている。こうした中、必要なのは学習するだけではなく、検証し、実行し、アウトプットしていくサイクルだ。そして、勉強することがひたすら増えるのかというと、実はそうではないという。「ハードウェアレイヤーはどんどん抽象化されるので、AWSを使うのであればルーターのOSやデータベースのインストールについては勉強する必要はない」と亀田さんは語る。
続いて、亀田さんは「初期費用無料」「従量課金」というAWSのメリットをおさらいしつつ、聴衆に向けて「持ち家の方?」と質問を投げる。唐突な質問に聴衆がとまどう中、亀田さんは、一戸建ての写真を見ながら、「去年、120回くらいAWSについて講演していて、『毎回資産を持っていてはダメ、流動性を高めましょう』と言っている割に、自分の家は持ち家なんです(笑)」と語る。
なぜ持ち家なのかを改めて考えてみた亀田さんは、「(AWSの)初期費用無料や従量課金というのは、あくまでわれわれが定めたサーバーの売り方であって、エンジニアへの価値を表しているわけではない。一方、資産として抱えている家は、私自身の心のよりどころとして存在しているので、固定していた方がよい」と指摘する。では、クラウドの時代、エンジニアはなにを心のよりどころにすればいいのか? 亀田さんは、「会社や携わっているサービスではなく、学習サイクルこそが心の礎になるはず。それをAWSはお手伝いできる」と語る。サービスの構築、運用ではなく、前述した学習、検証、実行、アウトプットという学習サイクルの形成についても、AWSのようなクラウドサービスは寄与できるというわけだ。
亀田さんは、JAWS FESTAでもテーマにした「自動化に資するか」という観点で技術を見極める重要性やクラウドコンピューティングとInfrastracture as Codeとの関係について整理。その上で、午後に行なわれる「Infrastracture as Codeに疲れたので、僕たちは本来やりたかったことを整理する」というセッションを例に、「AWS Summitでは絶対こうした話は聞けない。でも、みなさんの勉強はわれわれのようなベンダーの話と実際の使った人の話があわさって、初めて完結する。だから、こうしたカウンターを打ってくれることはわれわれにとっても、みなさんにとっても有益」と語る。
もちろん、AWS側としてもユーザーとの対話に力を入れている。亀田さんは昨年オープンした「AWS Loft Tokyo」のビデオを披露し、「従来型の一方通行の情報提供だけでなく、その場でSAと話し合いながら、双方向にコミュニケーションしながらプロダクトを作っていこうとしている」とアピールした。
最終的に1900人近くが参加したイベントの模様やセッションレポートは別途お伝えする。
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