楽天モバイルネットワークは、今年10月開始予定の携帯サービスにともなう、ネットワーク関連のテスト施設「楽天クラウドイノベーションラボ」について、メディア向けの内覧会を開催した。
この楽天クラウドイノベーションラボは、インド・ムンバイに拠点を置くテックマヒンドラ社との連携によって設立したもの。施設名に“クラウド”という言葉が含まれていることからもわかるように、「仮想化」「クラウド」がキーワードとなっている。
携帯キャリアのネットワークは、従来は専用のハードウェアによって構築されているのが一般的。というのも、各キャリアともに10数年以上の歴史を持ち、過去の資産や互換性も含めて抱える必要があったためと言える。
それに対し、楽天は4Gからのスタートで良く、すでにインターネットの世界がそうであるのと同様に、クラウドベースのネットワークを構築できるのが大きなメリットであると、楽天 代表取締役会長兼社長の三木谷浩史氏は強調した。
ラボの内部には、同社が構築するネットワークの完全なコピーを置き、24時間の無人テストが可能とのこと。これにより、ソフトウェアの問題発見や、早期のアップデートが実現できるとする。専用のハードウェアでは数ヵ月を要していたリードタイムが不要になり、問題や新しいサービスに瞬時に対応できる点をアピールした。
汎用的なハードウェアと仮想化技術で携帯キャリアのネットワークを構築すること自体は他にも見られるが、ほぼそれのみでサービスを展開するのは楽天が世界初ではないかとのこと。IT企業ならではの方法で、携帯キャリアとして今秋デビューを果たす楽天。後発ならではのメリットを活かし、どこまで既存キャリアに食い込んでいけるかに注目が集まりそうだ。