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ペヤング北海道ジンギスカン風は食の記憶に対する挑戦だった

2019年02月09日 12時00分更新

文● 四本淑三

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羊たちの沈黙(二食目と三食目)

 では、残りのかやくを入れて熱湯を注ごう。3分待ったら、お湯を切って残りのソースを混ぜよう。

 おおお、これは明らかにジンギスカンの匂いだ。冷凍の輪切り肉を鉄鍋で焼いている最中の、あの匂いだ。焼けたラム肉から滲み出る油が少し焦げたくらいの匂い。そのあたりの焼き加減が一番うまい……。

 のようなことになると思ったが、圧倒的に羊が足りない。実験にかやくとソースを使いすぎてしまったせいか。あるいは辛いものを食べ過ぎるとそうなるように、嗅覚や味覚が麻痺してしまった可能性もある。よって翌日に試すことにした。

 ところが夜が明けても、羊たちは沈黙したままだった。いや、羊の存在感はあるのだが、慣れてしまったせいで、最初のような違和感がない。結果として、ちょっと香ばしくてフルーティーな甘口ジンギスカンソース味のペヤングに落ち着いている。ここが本来目指したところだとしたら、標準メニューとしていけるのではないか。

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