ファーウェイを巡る米国の動きは先週、米政府によるファーウェイ起訴という形に発展した。内容は、ファーウェイが米国の輸出規制に違反したこと、そして過去に片が付いたはずのT-Mobileとの問題の2件で、合計で23の容疑がかけられた。一方で、肝心のバックドアについてはここでは持ち出されていない。
まずはZTEと同じイラン絡みでの輸出法違反
米政府は1月28日、関係者が勢ぞろいのオールスターでファーウェイ起訴を発表した。司法長官代行のMatthew Whitaker氏、国土安全保障省長官のKirstjen Nielsen氏、連邦捜査局(FBI)長官のChristopher Wray氏などが、ファーウェイを相手に戦う姿勢を見せたのだ。その先にあるのは中国だろう。
1件目の訴訟はニューヨーク東地区連邦地方裁判所で、ファーウェイ、Skycom、そしてファーウェイの創業者の娘でCFOを務めるMeng Wanzhou(孟 晩舟)氏を相手取った刑事訴訟だ。ここでは、制裁国であるイランとの取引についての容疑が中心で、ファーウェイ幹部が米政府に詐欺行為を行なったこと、銀行に対する虚偽の説明、マネーロンダリングなど13件の罪状が出されている。合わせて、2018年末にカナダで拘束されたMeng氏の身柄引き渡しを求めた。
米国はイランに対して米企業の製品の輸出を禁じており、これに違反したというものだ。昨年春のZTEと同じような状況と言える。ファーウェイは香港のSkycomを通じてイランにHewlett Packardの機器を納入したとされており、Meng氏は以前にファーウェイとSkycomとの関係を否定していたという。
また2007年には、ファーウェイ創業者件CEOのRen Zhengfei(任 正非)氏に米国の輸出法について聴き取り調査をしたところ、Ren氏は遵守していると虚偽の発言をしたとも記している。
Meng氏の強制送還の要請に対し、カナダ政府は30日以内に米政府の要請に応じるかどうかを決定することになる。ファーウェイ/中国と米国との対立にカナダも絡んでしまった点は以前に書いた通りだ。
これに対してファーウェイは、米司法省と議論する場を求めてきたが説明なく拒否されたとコメントしている。
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