WslFsはVolFsを置き換えるためのもの!?
ただし、まだ詳細はわからず
さて、ようやくWslFsの話をしよう。コマンドによれば、WslFsとはVolFs(lxfs)を置き換えるものだ。どうして置き換える必要があるのかというと、VolFsとDrvFsではLinuxのメタ情報の管理方法が違っている。
これを統一するのがWslFsであり、具体的には、VolFsのメタデータの管理方法を、DrvFsの方式に切り替えるためのもののようだ。“ようだ”というのは、WslFsに関して、マイクロソフトから何もドキュメントが出ておらず、いまのところ目的なども不明なのである。このため、うかつにwslconfig.exeで、WslFsには変換しないほうが無難だ。次のバージョンでいきなりサポートされなくなるといった可能性さえある。
具体的にVolFs、DrvFsそしてWslFsに関して、それぞれのファイルにある$EAアトリビュートの中身を調べて見た。まずは、VolFsとDrvFsだ。VolFsは、$EAアトリビュートの中に2つのサブアトリビュートがある。
「$CI.CATALOGHINT」と「LXATTRB」で前者は、作成したLinuxディストリビューションに関連する情報が記載されていた。LXATTRBのほうにおそらくはメタデータが入っていると思われるが、具体的な構造まではわからなかった。
これに対して、DrvFsは、3つのサブアトリビュートを定義している。「$LXUID」「$LXGID」「$LXMOD」の3つだ。最初のものが作成者のLinux ユーザーID、2つめは、LinuxのグループIDと思われ、3つめの$LXMODがメタデタータではないかと想像される。
さて、VolFs(lxfs)をWslFsにアップグレードし、同じファイルの$EAを調べて見ると、DrvFsと同じサブアトリビュートがおかれていた。最初のサブアトリビュートは、VolFsと同じで、後半がDrvFsと同じである。このためWslFsはDrvFsとある種の互換性を持つと考えられる。
DrvFsとVolFsとは、それぞれ別に作られ、目的にも違う部分がある。このため、両者は、当面別々のものとして維持されていくと思われるが、VolFsとDrvFsの間にある種の互換性があれば、たとえば、他のディストリビューションのVolFsを一時的にマウントしたり、あるいはリモートマウントするといった可能性が考えられる。
この連載の記事
-
第458回
PC
Windows上でhostsファイルを活用する -
第457回
PC
IPv6アドレスは先頭を見ればどんな種類かわかる -
第456回
PC
あらためてIPv6基本のキ -
第455回
PC
Windowsで現在どのネットワークアダプタがインターネット接続に使われているかを調べる方法 -
第454回
PC
Windows 11 24H2では「デバイスの暗号化」の条件が変わり、より多くのPCでドライブが暗号化される -
第453回
PC
Windows 11 24H2の配布開始後もすぐにはやってこない Windows UpdateとSafeguard Holds -
第452回
PC
Windows 11 Ver.24H2が登場 Copilot+ PCとそうでないPCで実質Windowsが2つに分かれる -
第451回
PC
新しいWindowsサンドボックスではコマンドラインからの制御が可能に -
第450回
PC
ユニコードで文字数を数える方法 -
第449回
PC
WSLはプレビュー版でGUIでの設定が加わった! リリース2.3.xの新機能を見る -
第448回
PC
PowerShellで面倒なオブジェクトはPSCustomObjectに変換するのが早道 - この連載の一覧へ