■開催迫るラグビーワールドカップ、アジア初のラグビーの祭典は何を残すのか?
2019年9月の「ラグビーワールドカップ2019」(W杯)に向けたカウントダウンが始まっている。世界的には、サッカーの「FIFAワールドカップ」やオリンピックに次ぐとされる大規模なスポーツイベントであり、日本はもちろんアジアでも初の開催となる。この大会で何を残すのかを中心に、ラグビーワールドカップ2019組織員会でJRFU連携・レガシー局レガシー部部長の本田祐嗣氏に話を聞いた。
――まずはラグビーW杯2019組織委員会について教えてください
本田 ラグビーW杯を開催するために新しく作られた法人です。2010年に設立され、2012年に一般社団法人として登記されました。その後2013年に現在の公益財団法人に移行しました。
日本でのラグビーの大会の運営、日本代表の遠征や強化、全国でのラグビーの普及などは日本ラグビーフットボール協会(以下、日本ラグビー協会)を中心に活動しておりますが、ラグビーW杯の開催は事業規模が大きいことなどから、組織委員会を別に作りました。スタジアムなどのインフラ整備費用、大会運営費用、国内客の消費、海外客による消費などを合わせると、経済波及効果は4372億円と見込んでいます。
経緯を説明すると、サッカーのFIFAに相当するワールドラグビー(World Rugby)という世界の統括団体があります。ワールドラグビーはラグビーワールドカップリミテッド(Rugby World Cup Limited)という会社を持ち、ここがラグビーW杯事業を取り扱っています。日本ラグビー協会は2009年7月に2019年大会を開催する権利を得ました。
開催権は日本ラグビー協会が所有しており、組織委員会を別に作らなければならないという決まりはありません。が、近年のW杯では毎回組織委員会を別に作って開催されています。
組織委員会は、ラグビーW杯が終わると解散します。