ケンジントンキャットは陶器製のネコのこと。ガラス製の眼の作りが特徴で、目が動いているような錯覚を生む仕掛けになっています。う~ん、マジックみたい。
筆者がケンジントンキャットと出会ったのは銀座のアンティークショップ。あまりの可愛さに、値段を聞いたら、ちょっと手が出せない価格だったのであきらめました。それでも、日が過ぎるごとに、「欲し~!」という欲求ばかりが増していくばかり…。
国内のネットショップでさがしてもほとんど見つからず、あっても「売り切れ」です。可愛いからアンティークファンにも猫ファンにも人気がありそうだし…。
というわけで、伝家の宝刀、eBay検索の出番です。ご存知かもしれませんが、eBayは世界最大のECサイト。利用できる国は30カ国以上、商品数は約10億個、1.7億ユーザーが利用しているといわれています。ちなみにヤフオクは、5200万個、1057万ユーザーといわれていますので、その規模の大きさがおわかりになでしょう。
やっぱりeBayは躊躇してしまう その理由とは…
ただしeBay、サイトは日本語にも対応していますが、セーラー(販売者や販売店)のスタッフはもちろん外国人です。筆者はアメリカや英国から購入することがほとんど。国際発送になれたセーラーもいますが、「海外発送については、問い合わせて下さい」とか「海外発送料金は国により違うので要相談」なんてコメントもeBayではよくあります。なので、英語でのやりとりが必要です。
じつは筆者は留学していたこともありますが、それはウン十年ほど前のこと。若い頃なら、手紙やメール、会話も平気でしたが、いまはもう、かなりサビついております。
次に憂鬱なのは、通関があること。通関とは、日本の税関を通って、「輸入禁止のものではないか?」とか審査されたり、物によっては税金がかかることです。以前に注文した英国の電話ボックスを模したブックエンドは、数千円課税されました。徴収は、配達時に日本の配送業者が代行して徴収するので、とりあえずは払わないと品物が受け取れません。
そんなわけで、eBayじゃないと手に入らない物があると同時に、気苦労も多いのもeBayです。
とりあえず、注文の流れから…
筆者がよくお世話になるのは英国のeBay(ebay.co.uk)です。トップ画面でネコの置物ばっかりを勧めてくるのは、それで数日悩んだせい…(笑)
ちなみに、筆者が欲しかった第一候補の猫はこれ。
画面の中央の下「Postage:」に「May not post to Japan(日本への発送はたぶんムリ)」の文字が…。これメールでセーラーに問い合わせましたが「Sorry, UK only」という短くて明確な返信をいただきました…(涙)。
それで、結局買ったのはこれ。
日本ではケンジントンキャットの名前で呼ばれていますが、英国やアメリカでは「Winstanley Cat」と呼ばれていることや、筆者が欲しかったネコの柄「チャトラ」が外国では「Ginger(しょうが色)」と表現されていることがわかります。
今回はスムーズに到着!
1匹はアメリカから10日で到着、2匹目は英国から約2週間で到着しました。ちなみにDHLだと、自社の航空機をもっているだけあって英国での集配から1日で日本まで到着するので驚きです(配送は通関や日本国内での配送で日数は余分にかかります)。
支払いはPayPalが多い
eBayなどヨーロッパ、アメリカでのネットショッピングでは、有名クレジットカード会社のロゴが表示されていますが、PayPalが決済を代行していることがあります。これは、個人や小さなショップでは、クレジット会社との契約が難しく、クレジットカード支払い→PayPalが代行→セーラーへの支払い、となるようです。
eBayや海外のネットショップの支払い画面で、PayPalのサイトに転送されているときは、「PayPalを一時的に利用」よりもPayPalのアカウントを取得し「PayPalのアカウントで利用」を選択したほうが安心です。
その理由は、商品発送のトラッキングだけでなく、支払いもPayPalアカウントで検索でき、セーラーが購入者から支払いを受けていることを確認できるからです。海外のPayPalが発行した「一時払いPayPalトラッキング番号(Recept No.)」は日本からはトラッキングの確認ができないことがあるので注意が必要です。セーラーが支払いを確認したメールが来るまでモヤモヤするかも…。日本のamazonなどで買い物をすると受注メールが数秒できますが、「PayPalを一時的に利用」の場合は1~2日返信がないことがあります。
そんな苦労があっても、海外から欲しかった逸品が届いたときは感激します。みなさまも機会があれば、ぜひチャレンジしていただければ幸いです。
前田知洋(まえだ ともひろ)
東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。
著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす秘密のことば』(日本実業出版社)、『芸術を創る脳』(共著、東京大学出版会)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。
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