この記事は、AMDのファンサイト「AMD HEROES」に掲載されている記事の転載です。
2018年11月14日、Bethesda SoftworksのオンラインマルチプレイヤーRPG「Fallout 76」のサービスが開始された。このFallout 76は、オープンワールドRPGとして人気を博したFalloutシリーズの最新作で、今作はオンライン専用タイトルになっている点が最大の特徴だ。前作の「Fallout 4」が好評だっただけに、Fallout 76にも注目している人は多いのではないだろうか。そこで、本稿ではRadeonシリーズのミドルレンジ向けGPUについて、Fallout 76が快適にプレイできるかどうかを確かめてみたいと思う。
核戦争の25年後が舞台となるFallout 76
ゲームエンジンにはCreation Engineを利用
まずはFallout 76がどのようなゲームなのかを紹介しておこう。Fallout 76の舞台となるのは、2077年に勃発した核戦争の25年後のウエストランド。住人が避難した核シェルターである「Vault 76」からストーリーが始まる。前作のFallout 4は同じ地域だったが、核戦争の210年後を描いていたので、Fallout 76はそれよりはかなり早い時代の物語となる。とはいえ、核戦争で荒廃した世界観はFallout 4を踏襲しており、実際プレイしてみるとシステムやユーザーインターフェースを含めて、Fallout 4にかなり近い印象を受ける。
Fallout 76が採用するゲームエンジンは、Fallout 4と同じBethesda Softworksが開発した「Creation Engine」。ただし、Fallout 4のものとまったく同じというわけではなく、Fallout76ではオンラインマルチプレイに合わせていくつかの改良が施されている。とはいえ、ゲームエンジンの根幹は変わっていないため、グラフィックスAPIにはDirectX 11に対応している。ゲームエンジンが同じであるため、Fallout 76の画面はFallout 4にかなり近い雰囲気がある。Fallout 4をプレイしたことがあるユーザーであれば、Fallout 76はかなり取っつきやすいのではないだろうか。
なお、Fallout 76では、オンラインタイトルだけに、ほかのプレイヤーの描画を加味してか、必要動作環境は少々高めになっている。表1に最小動作環境と推奨動作環境を示すが、グラフィクスカードには2世代前のハイエンドクラスが必要になる点は覚えておきたいポイントだろう。
最小動作環境 | 推奨動作環境 | |
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OS | Windows 10/8.1/7 64bit版 | |
CPU | AMD:AMD Ryzen 3 1300X、 Intel:Core i5-6600K | AMD:AMD Ryzen 5 1600X、 Intel:Core i7-4790 |
メモリ | 8GB | |
ビデオカード | AMD:Radeon R9 285、 NVIDIA:GeForce GTX 780 | AMD:Radeon R9 290X、 NVIDIA:GeForce GTX 970 |
HDD空き容量 | 60GB |
RX 590/580/570の3製品は1920×1080ドットで快適なプレイを実現
とはいえ、現行世代のミドルレンジクラスのビデオカードであれば、Fallout 76の推奨動作環境は満たすはずである。そこで、今回は「Radeon RX 590」(以下、RX 590)、「Radeon RX 580」(以下、RX 580)、「Radeon RX 570」(以下、RX 570)、のFallout76におけるパフォーマンスを確認してみたい。なお、比較対象には競合製品となる「GeForce GTX 1060 6GB」(以下、GTX 1060 6GB)、「GeForce GTX 1050 Ti」(以下、GTX 1050 Ti)を用意した。
CPU | Intel「Core i7-8700K」(3.7GHz、最大4.7GHz) |
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マザーボード | ASUS「ROG STRIX Z370-F GAMING」(Intel Z370) |
メインメモリ | DDR4-2666 8GB×2 |
ビデオカード | ASUS「ROG-STRIX-RX590-8G-GAMING」(Radeon RX 590)、 ASUS「DUAL-RX580-O8G」(Radeon RX 580)、 ASUS「ROG STRIX RX570-04G-GAMING」(Radeon RX 570)、 ASUS「ROG STRIX-GTX1060-O6G-GAMING」(GeForce GTX 1060 6GB)、 ASUS「ROG STRIX-GTX1050TI-O4G-GAMING」(GeForce GTX 1050 Ti) |
SSD | SAMSUNG「SSD 850 EVO」(Serial ATA 3.0、500GB) |
電源ユニット | SilverStone「SST-ST1200-G Evolution」(1200W、80PLUS Gold) |
OS | Windows 10 Pro 64bit版(October 2018 Update) |
テスト環境は表2のとおり。CPUには、それがボトルネックにならないよう「Corei7-8700K」を利用している。また、グラフィックスドライバは、Radeonシリーズが「Adrenalin Edition 18.12.1.1」、GeForceシリーズが「GeForce 417.35 Driver」で、いずれもテスト時における最新バージョンとなるものだ。なお、AMDは「Radeon SoftwareAdrenalin Edition 18.11.1」、NVIDIAは「GeForce 416.94 Driver」で、それぞれFallout 76への最適化を果たしているため、今回のテストは最適化されたドライバでのパフォーマンスを見る格好となる。
テスト方法は、Fallout 76を実際にプレイし、製薬会社の「アークトス・ファーマ」付近の林の中を走り、1分間の平均フレームレートと最小フレームレートを「Fraps」(Version 3.5.99)で取得するというもの。なお、解像度はミドルレンジ向けビデオカードのテストということもあり、2560×1440ドット、1920×1080ドット、1600×900ドットの3つを選択。グラフィックス設定は、描画負荷が最も大きくなるULTRAを指定している。
今回のテストでは、Radeonシリーズで最上位モデルとなるRX 590は、平均フレームレートにおいて1600×900ドットでGTX 1060 6GBに若干離される形となった。しかし、1920×1080ドットでは、RX 590はGTX 1060 6GBと並び、2560×1440ドットでは逆転を果たしている。これは、GTX 1060 6GBがグラフィックスメモリを6GBしか搭載していないが、RX 590のメモリ容量が8GBと多い点が功を奏したと考えるのが妥当だろう。このようなオープンワールド系のゲームの場合、やはりメモリ容量が大きい方が優位になることがある。
続いてRX 580はRX 590から平均フレームレートが9〜15%落ちるものの、1920×1080ドットでULTRA設定でも70fpsを超えるパフォーマンスを見せており、なかなか良好な結果だ。RX 570もGTX 1050 Tiに37〜62%もの大差を付け、格の違いを見せつけている。なお、両者の差は解像度が上がるにつれて広がる傾向を見せており、RX 590がGTX 10606GBに2560×1440ドットで逆転を果たしたことを考慮すると、RadeonシリーズはFallout 76において、高解像度で“強い”印象を受ける。
また、Fallout 76を実際にプレイしてみると、快適なプレイを実現するためには最低でも40fpsは欲しいところ。その点を踏まえると、RX 570は2560×1440ドットでそれを満たしており、ULTRA設定でこの結果はかなり立派だ。さらに、RX 590、RX 580、RX 570の3製品は、1920×1080ドットで最小フレームレートが60fps前後という高いフレームレートを発揮し、Fallout 76が快適にプレイできることは誰の目にも明らかだろう。
RX 570のコストパフォーマンスは抜群
RX 590やRX 580の高性能も魅力的
以上のテスト結果からも明らかなように、RX 590、RX 580、RX 570でFallout 76はかなり高いパフォーマンスを発揮している。なかでも、2万3000円程度で販売されてるRX570は、Fallout 76をプレイするうえで、コストパフォーマンスに優れており、魅力的な存在だ。これからFallout 76をプレイしたいと考えているユーザーにとって、食指が動くGPUであることは間違いないだろう。
RX 590は3万6000円〜4万2000円と少々高めながらも、2560×1440ドットでGTX 10606GBを超えるパフォーマンスを見せた点は評価できる。オンラインマルチプレイヤーRPGは、やはり高解像度でプレイしたいところだが、そういったニーズにRX 590はまさに打って付けの製品ではないだろうか。また、RX 590が高いと感じるユーザーには、RX 580をオススメしたい。RX 580の価格は実売で2万7000円〜3万5000円程度と、RX 590より購入しやすく、それでいて1920×1080ドットで常時60fps以上を発揮するパフォーマンスは惹かれるユーザーも多いはずだ。
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