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インターネットの光と闇、ディズニー映画の進化など見どころ満載

『シュガー・ラッシュ:オンライン』はディズニー・ワールドの集大成

2018年12月21日 17時00分更新

文● 市川、上代瑠偉

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ディズニー・ワールドの集大成

 『アナと雪の女王』以降のディズニーには、現代的な女性像を描くという点では限界を感じる部分があった。『ズートピア』と『モアナと伝説の海』にも特筆すべき点はあるものの、『プリンセスと魔法のキス』以降の男女が協力するという物語に変化はない。ピクサーは『インクレディブル・ファミリー』のなかで、「強い父」へのこだわりを捨て、女性の社会進出と男性の家庭進出を描いてみせた。現代性だけ抜き取ると、ディズニーはピクサーに追い抜かれてしまったように思えた。

 だが、今作では物語が進むにつれて、ヴァネロペが過激なオンラインゲーム「スローターレース」に自分自身の居場所を見出していく。リッチ・ムーア監督は、彼女の道のりには、だれかに「ここにいるべき」と言われる場所ではなく、自分自身の求める場所にいても良いという想いを込めたと語る(同インタビューより)。この主張は、きわめて現代的であり、ぜひ注目してほしい部分だ。

 近年のディズニーは、ピクサー、マーベル、ルーカスフィルム、21世紀フォックスを買収した。今作にはディズニーのお城の形をするウェブサイト「OH MY DISNEY」のなかで、『スター・ウォーズ』シリーズのストームトルーパー、『アベンジャーズ』シリーズのアイアンマン、『ズートピア』のニック、『トイ・ストーリー』のバズ・ライトイヤーなどが出演する。

 プリンセス専用の部屋では『白雪姫』の白雪姫や、『眠れる森の美女』のオーロラ姫、『美女と野獣』のベル、『アナ雪』のアナとエルサなど、歴代のディズニー・プリンセス14名全員も再登場。2019年、ディズニーは動画ストリーミング・サービス「Disney+」を立ち上げる予定(日本では未定)だ。今作を観ると、ますます楽しみになってきた!

●文:上代瑠偉

●評価:★★★★★



●公開情報
・シュガー・ラッシュ:オンライン 原題:Ralph Breaks the Internet
・2018年12月21日全国公開
・監督:リッチ・ムーア
・監督&脚本:フィル・ジョンストン
・製作:クラーク・スペンサー
・日本版声優:山寺 宏一、諸星 すみれ、菜々緒、小鳩 くるみ、鈴木 より子、すずき まゆみ、小此木 まり、平川 めぐみ、麻生 かほ里、土居 裕子、鈴木 ほのか、中川 翔子、大島 優子、松 たか子、神田 沙也加、屋比久 知奈
・配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
公式サイト

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