大逆転劇が発生も
チャンスを掴めず2連覇の夢は消えた
決勝日を迎えたもてぎは例年になく高い気温で、決勝レース前には気温19度、路面温度が29度まで上がってきていた。ウォームアップ走行を担当した片岡選手はタイヤの摩耗を心配していたほど。反対にライバル勢は硬いタイヤを履き、タイヤ無交換作戦を仕掛けてくるだろう。
3万7000人のファンが見守る中、2018シーズン最後の戦いがスタート。0号車は1コーナーではやくも65号車をイン側からオーバーテイクし、2位に上昇。そのまま88号車を追う展開になった。しかし、ポールスタートの88号車はスタートダッシュに成功し、1周目から後続を引き離す展開に。このとき、65号車は5位まで順位を落としており、61号車(SUBARU BRZ R&D SPORT)と11号車がすぐ背後に迫っていた。
1秒以下まで差を詰められ、前を追うより後続を抑える展開になったが、ピットに入る20周目まで抜かれることはなかった。なお、トップを独走していた88号車は19周目に突然パンク。発生場所がピットの近くだったため、最小限のロスだったがピットアウトした周に再びパンク。トップ争いから離脱した。
0号車はピットで左側のタイヤ2本を交換し、谷口選手にすべてを託してコースイン。しかし、1周前にピットインしタイヤ無交換作戦を採った65号車の前に出ることは叶わず、実質1位は65号車、2位が0号車という展開になった。さらに暫定トップを走っていた31号車(TOYOTA PRIUS apr GT)が31周目にピットイン、こちらもタイヤ無交換でコースに戻った。このとき65号車との間に入られてしまい、3位になってしまう。
ランキングトップの55号車は61号車とのバトルでサイドミラーを失ってしまい、ペースが上がらず9番手にまで下がっていた。こうなると65号車、31号車、0号車の上位3台はみな優勝すればチャンピオンが確定する。33周目から始まったこの3台のバトルは終盤までもつれ込んでいく。
だが、65号車が頭ひとつ抜けたスピードを見せ、31号車と0号車を引き離していく。0号車は31号車をロックオンしたものの、なかなか抜けずにいた。そこに前半でコースアウトしたものの、驚異的な速さで4位まで上がってきた87号車(リーガルフロンティア ランボルギーニGT3)が加わり、2~4位が三つ巴の戦いとなり、65号車が独走という展開に。
完全にレースは膠着した状態だったが、残り6周で65号車に異変が起きる。2番手以下に10秒以上のマージンを築いて盤石かと思われたが急激にペースが落ち、残り2周の時点で3秒以下にまで縮まっていた。0号車としてはさらなる大逆転を期待したものの、65号車は首位を譲ることなく逃げ切り、55号車が9位だったためシリーズチャンピオンに輝いた。0号車は31号車を抜くことはできず、3位でゴール。今シーズン3回目の表彰台に立った。
2018年のシーズンランキングは56ポイントで4位。残念ながら連覇はならなかったが、鈴鹿10時間耐久レースで日本勢最上位の5位と健闘したり、後半は連続で表彰台に上がるなど、爪痕を残した1年だった。
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